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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#456 『哀しみの戦場へ』(野村教裕/スーパーロボット大戦64/N64)

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招布とエーアイがおくるシミュレーションRPGスパロボより、

野村教裕作曲、64の『哀しみの戦場へ』。主人公アークのテーマ曲。

古今東西のロボットたちが一堂に会するスパロボシリーズのうち、それまで開発を務めていたウィンキーソフトに代わり、任天堂とハドソンの共同出資で設立された招布とバンプレストの下請けであるエーアイが共同開発した本作。本作では新たにゴッドマーズやジャイアントロボなどが参戦している。アフターコロニーを舞台に、様々な世界観がクロスオーバーして紡がれる重厚な物語は、凄惨で陰鬱ながらも非常に丁寧につくり込まれている。オリジナルの主人公は計四人、リアル系とスーパー系でそれぞれ男女一人ずつ用意されていて、スパロボシリーズのなかでオリジナルキャラの活躍に大きく焦点が当てられるようになったのも本作からである。また、本作は先行発売されたゲームボーイ向けのリンクバトラーと連動している。

本作の音楽を担当するのは野村教裕氏。サウンドディレクターを務める濱田智之氏も主題歌のみではあるが作曲を担っている。いずれも当時T's MUSICに所属していた作曲家である。このうち野村氏は、外伝作ではないスパロボシリーズに携わるのは本作および本作と連動するリンクバトラーが初めてである。一部の楽曲は64とリンクバトラーで共通して用いられ、それぞれのハードに見合った音源で奏でられる。本作のシビアで硬派な作風にあわせて、オリジナル曲は哀愁が漂うものもすくなくない。

リアル系の男性主人公、アークライト・ブルーのテーマ曲として、彼の戦闘シーンにて流れるのがこの曲である。アークは物語開始直後に身寄りを失い、特殊な訓練を受けてこなかった民間人ながらも激しい戦乱に身を投じていくことになるが、そうした不幸な身の上を表現したかのごとく、この曲は強い悲愴感にあふれている。成り行きで戦場に赴くことになり、戦いの意味を問い続けながらたくましく成長していく彼の姿がありありと思い浮かぶような、決意に満ちた音使いが、曲名にぴったりな切なくも凛々しい雰囲気を醸し出している。度重なる悲運に翻弄されつつ、それでもしたたかに生きていく彼にふさわしい力強い一曲である。

脚本家の方が考えた非公式の歌詞があるそうですね。たしかに歌モノっぽいつくりだからボーカル曲としても映えそう。リンクバトラーのGB音源版に関しては、もともとメロディー重視な曲なので素朴な音源になっても変わらず魅力的ですね。あわせてどうぞ。

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