VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#459 『NOT ALL THERE』(松浦めぐみ/VIEWPOINT/AC)

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エイコムがおくるクォータービューシューティング・ビューポイントより、

松浦めぐみ作曲・岡村静良編曲、『NOT ALL THERE』。1面の曲。

縦や横スクロールとは異なり、斜めスクロールという珍しい視点を取り入れた本作。全6面から成り、「この空間すべてに美しき罠が潜んでいる」という謳い文句に違わぬ美麗なグラフィックと巧妙なギミックの数々が特徴である。独特なクォータービューならではの操作感が、後半にかけて激化する異様な難易度とともに印象に残りやすく、日本国内ではネオジオFM TOWNSX68000に、海外ではこれに加えてメガドライブGenesis)やPSに移植された。

本作の音楽を担当するのはSIZLLAこと岡村静良氏、加瀬正紀氏、松浦めぐみ氏の三名。いずれも90年代当時活躍していた作曲家たちである。本作を彩る楽曲は、いずれも当時の流行りの音楽をベースとした、クラブミュージック風のサウンドが勢揃いしている。特にUKハウスの影響が色濃く見られ、その他にもイタロ・ハウス、ガラージ、アシッドなど、ノリが良く刺激的なサウンドが数多く取り入れられている。サウンドトラックでは全曲収録されているうえに、エンディング曲に至っては岡村氏(Sizlla Gainsbourg名義)の手により2種類のアレンジが施されている。

シューティングの1面はゲーム全体のサウンドの方向性を決定する重要な役割を担うが、その大役を見事に果たしているのがこの曲である。チップチューンを思わせるレトロ風味な音源に、「1,2,3,4Hey!」という勢いあふれるボイスが載せられ、イントロからすでに強烈なインパクトを与えてくれる。ステージ開始の合図であるREADYと表示され、プレイヤーが自機を自由に動かせるようになる、まさにそのタイミングにあわせてボイスが重なるため、シチュエーションにマッチした抜群の昂揚感を演出する。ボイスの後に続くスタイリッシュなフレーズの繰り返しは、大きな起伏こそないが耳馴染みしやすい落ち着いた雰囲気を醸していて、短いループながらなかなか飽きの来ない仕上がりとなっている。

作曲したのは松浦さんで、YM2610音源に変換し、かつ原曲の音符を削ったりボイスを追加したりとあれこれ編曲したのが岡村さんだそうです。機種ごとに音源の違いがありますが、移植が多岐にわたっているのでここでの紹介は割愛します。