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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#466 『果てしなき戦場』(伊藤賢治/聖剣伝説 ~ファイナルファンタジー外伝~/GB)

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スクウェアがおくるアクションRPG聖剣伝説より、

伊藤賢治作曲、『果てしなき戦場』。前半のフィールド曲。

ファイナルファンタジーのスピンオフとして、ゲームボーイ向けに発売された本作。飛空艇やケアルといったFFシリーズらしい作風を踏襲しつつ、クリスタルのかわりにマナの樹を主軸に据えた本作独自の世界観となっている。切なく儚いシナリオや仕掛けに満ちたダンジョン、武器ごとに用意された固有のアクションを駆使して進めていくシンプルだが奥深いゲーム性のいずれもが高いクオリティでまとまっていて、今なお根強い人気を誇る名作である。大幅なリメイクを施したGBA版の新約や、原作に忠実なVitaやアプリ版の3Dリメイク、さらには続編の2と3をあわせて移植したスイッチ版の聖剣伝説コレクションなど、様々なハードに移植されている。

本作の音楽を担当するのは伊藤賢治氏。当時スクウェアに所属していた作曲家で、前年のSa・Ga2でデビューしたばかりの駆け出しの新人だった。本作は氏にとって二番目に担当した作品であり、Sa・Ga2は植松伸夫氏との共作だったのに対し、本作は氏が単独で作曲を手がけている。本作の楽曲は王道ファンタジーを彩るにふさわしい勇壮なものが多く、制約の激しいGB音源にあわせたメロディー重視の良曲が揃っている。サウンドトラックはオリジナルサントラのほか、新約や3Dリメイクの音源を収録したものや、オーケストラやピアノによるアレンジサントラなど、とても充実している。

序盤のフィールドにて流れるこの曲は、これから始まる大いなる冒険への期待をぐっと高めてくれる勇ましい一曲である。3チャンネル分の限られた音源で鳴らす素朴な音使いは、主旋律の伸びやかな響きに加え、小刻みに音色を上下させることにより、ビートを司るパーカッションを用いることなく見事な疾走感を生み出している。途中、30秒あたりで高音のレガートを多用すると、その滑らかさのなかにはかすかな哀愁が籠っていることから、全体を通して力強くも物悲しい仕上がりとなっている。

ゲームボーイ30周年おめでとうございます。GBで好きな曲といえば真っ先に思い浮かぶのがこれです。ちなみに言わずもがなこの曲から後半のフィールド曲『聖剣を求めて』にかわるときのタイミングが実に素晴らしくて、個人的には両方あわせて表裏一体のフィールド曲だと思っています。『聖剣を求めて』、あわせてどうぞ。

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