VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#467 『LAST STAGE(サイド"バウワー")』(与猶啓至/星霜鋼機ストラニア/X360)

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グレフが手がける80'年代風ロボットアクションシューティング・

星霜鋼機ストラニアより、与猶啓至作曲、サイド"バウワー"の『LAST STAGE』。

追加DLC「サイド"バウワー"」の最終面で流れます。

シューティングゲームの黄金期たる1980年代の作風を意識してXBLA向けに登場した本作。宇宙開拓時代を舞台に、機械惑星バウワーによる襲撃を受けた惑星ストラニアは、制宙権を取り戻すべく敵基地を破壊する電撃作戦を遂行することになる。高度な技術を結集してつくられた人型機動兵器を操作し、武装を適宜切り替えながら進めていく縦スクロールシューティングである。全6+1面からなり、難易度HARD以上を選択した場合のみ7面に挑戦できる仕組みとなっている。追加DLCとして敵側のバウワー軍の視点からプレイできる「サイド"バウワー"」というものがあり、いわゆる2週目に近いつくりだが、ストラニア軍側だと1面から6面へと進行するのに対し、バウワー軍側だと同じステージでも6面から1面へと逆方向で進行していくことになる。後にアーケードやPC向けに移植された。

本作の音楽を担当するのは与猶啓至氏。今年でデビューから30周年を迎えるベテランの作曲家で、90年代前後にX68000PCエンジンといったハードで画期的なサウンドを生み出してきた実力と経験を持っている。本作ではレトロな雰囲気にあわせて電子音を多用したクールなシンセサウンドが各種取り揃えられていて、ステージごとに固有のボス戦闘曲が用意されていたり、ストラニア軍・バウワー軍それぞれの視点によって同じステージでもまったく別の曲が使用されていたりする。とりわけストラニア軍側の楽曲は昔ながらのシューティングを意識したサウンドになっている一方で、バウワー軍側の楽曲は、未知の機械文明というコンセプトを受け、当時ではなく現代だからこそ表現できる挑戦的なサウンドに仕上がっている。オリジナルサウンドトラックのほかに与猶氏自らがセルフアレンジしたアルバムも発売されている。

サイド"バウワー"の最終面で流れるこの曲は、ピアノとシンセサイザーを見事に融合させた高密度かつ高純度なエレクトロニックサウンドが印象的である。最終面は最初から最後までボス戦が繰り広げられるが、高速で明滅する自機と敵機の赤と青の光が、音楽との相乗効果でスタイリッシュな魅力を倍増させてくれる。矢継ぎ早に押し寄せる緊張感あふれるリズムとビートは、すこしも油断できない白熱の戦闘を静かに盛り上げていき、終わるところを知らぬストラニアとバウワーの熾烈な消耗戦をありのままに表現している。非常に冷静で理知的な風情を漂わせる、機械惑星ならではのクライマックスを彩る一曲である。

セルフアレンジのほうも必聴の出来栄えです。原曲よりもさらに音の響き方が複雑に洗練された最高純度のシンセポップに仕上がっているので、イアホンやヘッドホンで聴いたらきっと今より高い次元に連れていかれるはず。あわせてどうぞ。

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