VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#484 『飛べ!星のカービィ』(安藤浩和/星のカービィ Wii/Wii)

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HAL研究所がおくるアクション・星のカービィより、

安藤浩和作曲、Wiiの『飛べ!星のカービィ』。

レベル8のシューティングステージで流れます。

星のカービィシリーズのうち、通算20作目の節目にあたる本作。据置機で本編が登場するのは64以来実に11年ぶりのことである。本作では、平和なプププランドに突如墜落した宇宙船をめぐり、船の修復のために各地に散らばったパーツを集めることになる。基本的なゲームシステムは従来通りだが、特定の敵を吸い込んだときに使えるようになる超強力なスーパー能力や、いつでも手軽にプレイ人数を増やしたり減らしたりできる協力プレイなど、多くの新要素が搭載されている。総じて新旧のシリーズの魅力が詰まった仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは安藤浩和氏と石川淳氏。いずれもHAL研に所属する、シリーズおなじみの作曲家である。本作の楽曲はあわせて100曲を越える大ボリュームであり、ほとんどのステージに専用の曲が用意されている充実ぶりとなっている。また、カービィシリーズではよく過去作のアレンジや原曲そのままを収録することがあるが、本作の楽曲の大半は(一部フレーズを借用するものもすくなくないが、基本的に)オリジナルの新曲である。サウンドトラックは一部の楽曲のみを収録したミュージックセレクションが存在するが、その他の楽曲についてはサウンドテストにて短いジングルやファンファレーを含めて鑑賞可能である。

宇宙船の主であり、本作の物語の元凶であるマホロアと対峙するラストステージ(ザ ラストバトル イン アナザーディメンション)では、シューティング形式の前半部と実際のバトルの後半部に分かれているが、その前者において流れるのがこの曲である。ここでは直前のステージで戦ったボスと協力しながら進めていくことになるが、宇宙の存亡を賭けた熱い共闘の展開にふさわしく、この曲は非常にヒロイックでドラマチックな仕上がりとなっている。異空間を舞台にした戦いであることから、どこか不気味に響く無機質な電子音を取り入れつつ、トランペットやエレキギターのパワフルな音色で、不気味さを吹き飛ばすような抜群の疾走感を生み出している。シリーズ通しての代表曲である『激突!グルメレース』のイントロが1分10秒あたりで挿入されているのも印象深く、クライマックスに向けて派手に盛り上げてくれる。

アニメの最終回のタイトルを曲名に持ってくる、というのは憎いアイディアですね。アニメ、懐かしいです。