VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#485 『Break A Leg!』(弓削雅稔/究極タイガー/AC)

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東亜プランがおくる縦スクロールシューティング・究極タイガーより、

弓削雅稔作曲、『Break A Leg!』。1面と6面で流れます。

タイガーヘリの系譜を継ぐ作品として1987年にアーケード向けに稼働開始した本作。敵機が放つ苛烈な高速弾、画面を覆い尽くす派手で爽快なボンバー、4種類のメインショットの使い分けなど、東亜プランシューティングの醍醐味とも言える要素がふんだんに織り込まれている。全10面からなり、10面クリアすると残機がなくなるまで無限ループする仕組みになっている。その完成度の高さから、シューティングブームの火付け役として大ヒットし、以降の同ジャンルの基礎を築いた名作である。

本作の音楽を担当するのは上村建也氏と弓削雅稔氏。ともに当時、東亜プランに所属していて、作曲家としてのみならずプログラマーとしても活躍していた。本作ではFM音源を駆使したハードなエレクトロニックサウンドが揃っていて、ステージによっては和風な雰囲気を醸す楽曲も収録されている。移植は多岐にわたり、その都度それぞれのハードに見合ったアレンジが加えられている。サウンドトラックはタイガーヘリをはじめ、複数の作品と一緒に収録されているものなどが存在する。

1面および6面で流れるのがこの曲である。1面はゲーム開始直後、6面は後半戦の始まりにあたることから、どちらも印象深いステージであり、それらを彩るこの曲は本作の代表曲と言っても過言ではない。小刻みに継続的に奏でられる伴奏と、その上を颯爽と走り抜ける主旋律による疾走感たっぷりのアンサンブルが特徴で、抜群の躍動感を誇るなかで、ところどころに電子音特有の無機質な哀愁がほのかに見え隠れする。曲名は逆説的に激励する意味合いを持つ英語のイディオムだが、まさにこれからの戦いに向けてやる気を高めてくれる一曲である。

ファミコン版はながたたかひこさん、PCエンジン版は増子司さん、メガドライブ版はRAIKA NO PAPAこと菅野ひろとさんがそれぞれ編曲しています。個人的にはメガドライブのメタリックなアレンジが好きです。あわせてどうぞ。

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