VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#502 『STELLAR LIGHT』(安井洋介/ESCHATOS/X360)

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キュートがおくる縦スクロールシューティング・エスカトスより、

安井洋介作曲、『STELLAR LIGHT』。16面から19面にかけて流れます。

80年代のシューティングを強く意識した作品として、ワンダースワンの名作STG・JUDGEMENT SILVERSWORD(以下、銀剣と表記する)で知られるM-KAI氏が中心となって制作した本作。紫の浸食と呼ばれる月の異変により巨大UFOの群れが地球に飛来してきた近未来を舞台に、人類の生き残りを賭けて戦うことになる。三種類の装備と三種類のモードが用意されているほか、本作には初移植となる銀剣およびCARDINAL SINSをも同時収録されており、合計三種類のゲームが一本で楽しめる。センスが光るステージ構成や抜群の爽快感を誇る演出など、総じてシューティングの醍醐味をしっかりと押さえた手堅い仕上がりとなっている。後にSteam、スイッチ、PS4に移植された。

本作の音楽を担当するのは安井洋介氏。当時、音楽制作会社スーパースィープに所属していた作曲家である。本作ではそのコンセプトにあわせて、氏が得意とするところのFM音源やPCM音源を組み込んだ珠玉のレトロチューンが揃っていて、王道ど真ん中を突っ走る熱くてノリの良いサウンドを堪能できる。一部の楽曲は、M-KAI氏や米沢勇気氏が作曲した銀剣のBGMを安井氏が本作用にアレンジしたものを収録していて、いずれも本作の世界観に寄り添った空想科学的な格好良さを極限まで追求した出来栄えとなっている。サウンドトラックはオリジナル音源のものほか、DLCで配信されたアレンジBGMパックの音源を収録したアレンジトラックスも発売されている。

全26面のうちの16面から19面で流れるのがこの曲である。ここでは地球を飛び出し、星々に照らされた宇宙空間を駆け、やがて異変の元凶である月へと針路をとることになるが、そうした果てしない恒星間航行を彩るのが、この懐かしくも新しい、レトロ感満載なサウンドである。シューティングの曲としては比較的おとなしめな、どことなく静謐な印象を与えるイントロから始まるが、その後徐々に、焦らすようにじりじりと勢いを蓄えていくと、サビに突入する頃にはもはや疑いの余地もないほどオーソドックスなシューティングサウンドへと変容する。後半戦に向けて意気込むシューターたちの背中を力強く後押ししてくれる、そういう頼もしさに満ちた一曲である。

ツボを押さえていると言うのでしょうかね、これぞシューティング!という感じのノリがすごく好きです。アレンジ版では浮遊感に磨きをかけることで宇宙っぽさが増した一方で、エレキギターのハードな音色をガンガン取り入れることでロックっぽくなったような気がします。あわせてどうぞ。

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