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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#505 『スタンド・ファイター』(山根昇/ジョジョの奇妙な冒険/SFC)

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荒木飛呂彦著の人気漫画を原作とする、ウィンキーソフトがおくるRPG

スーファミ版のジョジョの奇妙な冒険より、山根昇作曲、『スタンド・ファイター』。

通常戦闘曲。

ジョジョの初のゲーム化作品として、とりわけ有名な第三部のスターダストクルセイダースを基にしてつくられた本作。RPGという区分でありながら、登場人物のグラフィックは上半身のみ表示され、画面の向きが固定されているという特徴的なスクリーン構成となっている。キャラのステータスがストレスの程度によって上下するバイオリズムシステムが搭載されているほか、戦闘中は精神攻撃という名の暴言で相手の戦意を喪失させることもできるなど、意欲的な要素がふんだんに組み込まれている。その一方で、いたるところに原作と矛盾する展開が数多く用意されていることでも知られ、その荒唐無稽さが一周回って迷作として語り継がれている。

本作の音楽を担当するのは山根昇氏。当時ウィンキーソフトに所属していた作曲家である。氏は本作以前にはスパロボヒーロー戦記といった作品で作曲した経験があり、本作においてもキャラゲーのノウハウを受け継いだ良曲が揃っている。ジョジョ特有の濃厚で奇妙な作風にあわせて、スーファミ音源ながらもド迫力なサウンドを生み出すことに成功していて、発売後まもなくサウンドトラックが登場するなど、音楽には一際力を入れていたことが窺える。

通常戦闘曲として繰り返し聴くことになるこの曲は、まさに本作の音楽の良さを象徴するかのような出来栄えを誇る一曲である。本作ではスタンド使いにはもちろん、一般人(肉の芽が植えつけられているので厳密には違う)だろうとお構いなしにスタンドを叩き込めるため、すべての戦いが例外なくスタンドバトルである。そうしたスリリング極まりない戦闘を彩るこの曲は、イントロからしてすでに爆発的なインパクトを有する迫力満点なロックナンバーである。エレキギターとオルガンによる息もつかせぬ掛け合いが、ただの一瞬も気を抜くことのできぬ苛烈な激闘をものの見事に表現していて、一度聴いたら忘れられない凄みにあふれている。

この癖になる感じがたまらなくいいですね。迷作に名曲ありです。