VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#518 『飛翔(オーケストラ)』(東祥高/パンツァードラグーン/SS)

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セガがおくるドラマティックシューティング・パンツァードラグーンより、

東祥高作曲・林知行編曲、『飛翔(オーケストラ)』。

『飛翔 ~EPISODE 1 (ORCHESTRA VERSION)』とも表記され、1面で流れます。

セガ謹製の初の家庭用オリジナル本格的3Dシューティングとして登場した本作。古代文明が生み出した負の遺産である攻性生物によって蝕まれる黄昏の時代を舞台に、ハンターの少年カイルはドラゴンの背に乗って世界を救う旅に出ることになる。壮大なスケールで繰り広げられる立体的な大パノラマが特徴で、大量の敵をロックオンしてホーミングレーザーで一掃する爽快感や、縦横無尽に3D空間を駆け回る圧倒的な浮遊感、さらには美しくも残酷な世界観とが相まって、セガサターン屈指の名作STGとして語り継がれている。後にPCやセガエイジス2500シリーズの一環としてPS2にも移植された。

本作の音楽を担当するのは東祥高氏。オーケストラアレンジは林知行氏がおこなっている。東氏はかつてフォークソンググループの五つの赤い風船のメンバーだったこともある作曲家兼シンセサイザー奏者で、故人である。ゲーム方面では本作をはじめ、90年代後半にかけていくつか単発の作品を手がけたことで知られる。対する林氏はHearts Musicに所属する音楽家で、コンピューター・ミュージックに精通している。本作では重厚で濃密な雰囲気を演出すべく、開放感あふれるオーケストラサウンドを中心に取り揃えられていて、一部の楽曲は生演奏を用いるなど、非常に力の入った仕上がりとなっている。サウンドトラックは通常版とリマスター版があり、それぞれ曲名がすこしずつ異なるが、ここでは先に登場した通常版の表記に従う。

括弧書きでオーケストラと書かれている通り、最初のステージで流れるこの曲は、くだんの生演奏を取り入れた豪華絢爛なシンフォニックサウンドである。美しく澄んだバイオリンの高音に、負けず劣らずの透明感を誇るフルートの音色が重なり合って、始まったばかりの空の旅を昂揚感たっぷりに彩ってくれる。その清らかに冴え渡る音使いは、どこまでも遠くへ、水平線の果てまで飛んでいけるような気分にさせてくれる。ここでは海に浮かぶ鳥居のような石造りの遺跡群をくぐり抜けて進んでいくことになるが、そうした映像と音楽の親和性が、本作ならではの抜群の爽快感を印象付ける。

リメイク、嬉しいですね。初めて聴いたときの感動が蘇ると思うと感慨深いです。ちなみにサントラのボーナストラックとして、オーケストラアレンジ前のシンセサイザー版が収録されているのですが、これもなかなか素敵です。幻想的で魔術的で、アレンジ前もアレンジ後もともに名曲です。あわせてどうぞ。

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