VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#530 『サマー・ビート』(樹原涼子/リンダキューブ/PCE)

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アルファシステムがおくるサイコスリラー+ハンティングRPGリンダキューブより、

原涼子作曲、『サマー・ビート』。夏のフィールド曲。

メタルマックス天外魔境、後に俺の屍を越えてゆけなどを手がけることになる桝田省治氏がゲームデザインを務めた本作。巨大隕石の衝突による惑星ネオケニアの壊滅まであと8年、突如現れた謎の箱舟の乗船者に立候補した主人公ケンと恋人のリンダは、種の保存のため、できるだけ多くの動物のつがいを集めることになる。「時間制限つき、動く宝探しゲーム」というフレーズ通り、本作の目的はひたすら制限時間内に動物を捕獲することだけであるが、そうしたなかで同じ世界、同じ登場人物のもとで三種類のパラレルなシナリオが用意されていて、そのつくりこみの深さが魅力である。直接的な描写こそないが18歳以上推奨指定作品になっていたり、モンスターグラフィックがゲテモノじみていたり、生々しくて猟奇的なシーンが数多く搭載されていたりするなど、今なお色褪せることのない奇抜さにあふれた一作である。後に様々な修正を加えてPSやセガサターンに移植された。

本作の音楽を担当するのは樹原涼子氏。日本のピアノ教育界で大きな影響力を持つピアニスト兼作曲家である。ゲーム音楽に関しては本作で初めて本格的な作曲を担い、後に同じく桝田氏の作品である俺の屍を越えてゆけをも手がけることになる。本作では動物集めや狩りのために密林を探検することから、野蛮で狂気的な雰囲気に満ちた楽曲が多く収録されている。また、本作には四季の概念があり、季節ごとに異なるフィールド曲が用意されている。サウンドトラックはセガサターンの移植版に同梱されている。

フィールド曲のうち、夏に流れるのがこの曲である。イントロから絶大なインパクトを誇る、エレキギターの野趣に富んだ音色と、気が触れたような狂った雄叫びとが響き渡り、そこに口笛の素朴なメロディーが加わることで、未開の地を探索する気分を昂揚感たっぷりに盛り上げてくれる。途中、1分45秒を過ぎたあたりでピアノと女性コーラスによる間奏が入ると、それまでの鬱蒼とした空気感から一転、開放感たっぷりの癒しの旋律が奏でられ、束の間だけでも大自然の神秘に心を奪われる。底知れぬ驚異に満ちた一曲である。

この野生的な感じがすごく癖になります。ちなみに好きな動物はキリンです。