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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#533 『WE'RE THE ROBOTS (DR. WILY STAGE 2)』(下田祐/ロックマン9 野望の復活!!/Wii)

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インティクリエイツがおくる横スクロールアクション・ロックマンより、

下田祐作曲、9の『WE'RE THE ROBOTS (DR. WILY STAGE 2)』。

ワイリーステージの2番目のエリアで流れます。

ロックマンシリーズのナンバリング9作目として、8以来11年ぶりに登場した本作。ダウンロード専用タイトルであり、ファミコンを意識したレトロなゲームデザインが特徴である。ロックマン2を下敷きにした軽快な操作性と、初見殺しありのシビアな難易度、それでいてさくさく遊べるストレスフリーなゲーム性が魅力で、追加DLCでさらに歯応えが増したヒーローモードや、ブルースを操作できるブルースモードなど、様々な遊び方を楽しむことができる。後にPSNXBLAでも配信された。

本作の音楽を担当するのはインティ・クリエイツサウンドチームであるIIIに所属するメンバーたち。具体的には礒谷浩生氏、川上領氏、下田祐氏、山田一法氏の四名である。このうち礒谷氏と下田氏はすでにインティ・クリエイツを離れている。本作では、そのファミコン風のつくりにあわせて、楽曲のほうも原点回帰して昔懐かしいチップチューンを取り入れている。いずれの楽曲も、ファミコン時代のロックマンらしいノリの良さと、ファミコン時代とは異なる作曲陣でおくる新鮮さが光る出来栄えとなっている。また、一部の曲は立石孝氏によるロックマン2の楽曲をそのまま流用している。サウンドトラックはオリジナル音源のもののほか、ゲストアレンジャーを迎えて大胆に編曲したアレンジアルバムも発売されている。

8つのステージをすべてクリアした暁に解禁されるのが全4面からなるワイリーステージだが、その2番目のエリアで流れるのがこの曲である。ワイリーステージはいずれも今まで登場してきた敵や仕掛けが満載で、まさに集大成と言うべきステージ構成となっているが、そうしたなかで流れる音楽もまた会心の出来である。キャッチーでメロディアスな音使いが醸すヒロイックな雰囲気が、ピロピロと花吹雪のように舞い散るオリエンタルな響きと相まって、力強い疾走感を生み出している。ループ直前の低音パートでは、それまでの軽快さと打って変わって重圧感のある音色を奏でるが、そこから再びサビに向けて盛り上がっていくことで、非常にメリハリのある仕上がりとなっている。

アレンジにも恵まれていまして、アレンジアルバムでは松前真奈美さんによる現代風の(それでありながらもレトロ感が滲み出る)編曲が、スマブラSPでは下田さん自身が手がけるビッグバンド風のセルフアレンジがあります。後者ではあのピロピロのところにしっかり和楽器をあてがっていて、和洋折衷な雰囲気がよく出ています。二つともあわせてどうぞ。

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