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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#537 『The Brave New Stage of History』(中鶴潤一/ソウルキャリバーVI/PS4・XOne)

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バンダイナムコがおくる武器格闘アクション・ソウルキャリバーより、

中鶴潤一作曲、6の『The Brave New Stage of History』。

別名『新たに語られる歴史の舞台』で、キャラクターセレクトで流れます。

華麗な剣戟と直感的な操作が特徴のソウルシリーズのうち、ナンバリング6作目にして20周年記念作として登場した本作。前作の直接の続編ではなく、遡ってソウルエッジの時代から物語を再構成した仕上がりとなっている。全キャラクターの物語が交差するストーリーモードのSoul Chronicleに加え、プレイヤーの分身となるキャラを操作して邪剣をめぐる物語の裏側に迫るミッションモードのLibra of Soulも用意されていて、オンラインプレイのみならずオフラインでも十分遊び尽くせるようになった。シリーズ経験者でも未経験者でも幅広く楽しめるような、集大成的な仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのはバンナム所属の杉本雄氏、中鶴潤一氏、濱本理央氏、三崎修吏氏、矢野義人氏およびフリーの神藤由東大氏の総勢6名。前作ではバンナムからは中鶴氏のみで他は外注の作曲家であったが、本作では原点に回帰するような布陣となっている。格ゲー最高峰の出来栄えを謳う本作らしく、音楽にも一段と気合いを入れていて、新たに紡がれる壮大な剣と魂の物語に見合った重厚なオーケストラサウンドが揃っている。サウンドトラックは4枚組でスィープレコードより発売されている。

シリーズ恒例、中鶴氏が作曲するキャラクターセレクトのテーマ曲は、毎度曲名に『History』(日本語の題だと『歴史の舞台』)という語句を入れて、新たなアレンジを引っ提げて登場する。そのなかでもこの曲は、中鶴氏のデビュー作でもある初代ソウルキャリバーにおける『The Stage of History』(『歴史の舞台へ』)を直接連想させるような曲名を冠していて、その期待に応えるかのごとく、20年の時を経た進化を強く実感させてくれるような珠玉のシンフォニックサウンドに仕上がっている。まさに今この瞬間、歴史が動き出すのだ、という確信を裏打ちするように響く迫力たっぷりの荘厳なオーケストラが印象的で、勇猛果敢で威風堂々たるその音使いは、これから始まらんとする疾風怒濤の死闘に向けて最大限にまで闘志をみなぎらせてくれる。

曲名は英語も日本語も併記されているのですが、それより以前に出た先発のミニサントラだと英名のみだったので、そちらの表記にしたがっています。記事中に触れた初代の『The Stage of History』、あわせてどうぞ。

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