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#541 『SEITEN NO TERIYAKI』(Kobaryo/REFLEC BEAT VOLZZA/AC)

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コナミがおくる音楽対戦ゲーム・REFLEC BEATより、

Kobaryo作曲、VOLZZAの『SEITEN NO TERIYAKI』。

イベント「ULTIMATE SURVIVAL」の対象楽曲。

エアホッケーの要領でリズムにのって相手とオブジェクトを跳ね返し合うリフレクシリーズの5作目として登場した本作。筐体のデザインやイメージカラーを一新して刺激的な色合いになるという外見上の変化に加え、指でなぞるスライドオブジェクトの導入や難易度の細分化、旧曲のRENEWAL譜面の追加など、システム面でも大きな転換点を迎えた仕上がりとなっている。イベントも定期的に開催され、特に2015年末から2016年始にかけておこなわれた「ULTIMATE SURVIVAL」は、若手アーティスト12人が書き下ろした新曲をめぐり、プレイヤーによる選曲状況(≒人気)に応じて曲が続投されるか削除されるかが決まるサバイバル形式をとっていた。後に大型アップデートを加えてVOLZZA2が稼働開始した。

本作の音楽については、多数の新曲が追加された一方で、既存楽曲も大幅に削除され、全体的に入れ替わりが激しかったことで知られる。新曲はぜんぶで60曲以上、うち版権曲は14曲で、残りはコナミオリジナルとなっていて、全体的に硬派な良曲揃いとなっている。また、RENEWAL譜面が元の譜面とは別曲として扱われることから、実際の曲数以上に譜面の選択肢が多くなっている。「ULTIMATE SURVIVAL」参加者は新進気鋭の作曲家が集まっていて、このうちKobaryo氏は、2ch発の同人音楽サークル・HARDCORE TANO*Cの一員として、スピードコアやメインストリームハードコアを得意としている。音ゲー方面では本作以前にSOUND VOLTEXのREMIXコンテストで見事リミックス曲が採用された経験があるが、オリジナル曲を提供するのは今回が初めてである。

くだんのイベント曲として登場したこの曲は、まずもって曲名からして非常に強い存在感を放っている一曲である。BPMは273、全力疾走する圧倒的なスピード感のなかで奏でられる、チップチューン×スピードコア×EDMによるごった煮の音使いが、曲名よりもさらに衝撃的なインパクトを誇る出来栄えとなっている。目まぐるしく変化する曲調と、それに合わせて加速度的に盛り上がっていくグルーヴィな空気感とが相まって、音ゲーならではの音で遊ぶ感覚がひしひしと伝わってくるような、純粋に面白いと感じさせる遊び心にあふれている。譜面に関しては、カオティックスピードコアというジャンルに反して割と整然とした配置が多いが、すこしでも気を抜けば瞬く間に高速の波に飲まれてしまうことから、しっかりとメリハリを意識することが攻略の肝となる。

Kobaryoさん曰く「音楽は速いほうが強い」とコメントしていますが、それをものの見事に体現していますね。ちなみにMIXPEED ACTIONという彼のアルバムにロングバージョンが収録されていて、曲名は『SEITEN NO TERIYAKI NO DENSETSU』となっています。曲尺が伸びた分、さらに楽しませてくれるトラックに仕上がっていますので、あわせてどうぞ。

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