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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#544 『ドロシア ソーサレス』(池上正・石川淳/タッチ!カービィ/NDS)

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HAL研究所が手がけるペンアクション・タッチカービィより、

池上正・石川淳作曲、『ドロシア ソーサレス』。ドロシアソーサレス戦で流れます。

カービィシリーズのうち、初のDS作品として登場した本作。絵画の世界を舞台に、怪しい魔女のせいでボールの魔法にかかって動けなくなったカービィを、プレイヤーの手により魔法の絵筆に見立てたタッチペンで導いていくことになる。カービィを直接操作する従来の作品とは異なり、DSの特性と合致したその独特な操作性が何よりの特徴で、ステージクリア型のメインストーリーのほかにも、時間を競うタイムトライアルやインク量を競うライントライアル、さらには三種類のサブゲームなど、やり込み要素もそこそこ充実している。その意欲的な仕上がりを受けて、後にWiiUで続編のスーパーレインボーが登場した。

本作の音楽を担当するのは池上正氏と石川淳氏。ともにHAL研に所属する作曲家で、石川氏は初代から、池上氏はピンボールからシリーズに携わっている。本作ではオリジナル曲の比率がすくなく、過去作(特に夢の泉)からのアレンジが大半を占めている。アレンジはいずれも本作のメルヘンチックでサイケデリックな世界観にあわせた上質な出来映えとなっている。オリジナル曲に関しては、数はすくないがラスボス戦を中心にかなり実験的なイロモノが揃っていて、これらはサウンドトラックが発売されていないながらもサウンドテストで試聴することができる。

本作のラスボスにして、カービィをボールの形に変えた張本人である魔女ドロシアとの戦いの第一形態(ソーサレス)で流れるのがこの曲である。ソーサレスの状態では常時バリアを張っているため、こちらの攻撃が一切通用せず、いかにして攻略するかを戦いのなかで見出していくことになるが、この曲はそうした緊迫した状況を鮮やかに表現している。悲哀に満ちたチャーチオルガンによるイントロから始まり、50秒ほど荘厳な音色を奏でた後、本来ならばそのクラシック調の音使いには相容れぬはずのダブステップ風のパーカッションが加わることで、今にも壊れそうな狂気的な禍々しさを放つ。ソーサレス撃破後の第二形態(ソウル)の戦闘曲はさらに歯止めがかからないほどクレイジーサイケデリックトランスに仕上がっていて、暴走した姿と相まって強烈なインパクトを誇る。

カービィシリーズはラスボスの狂気を表現するのがほんとうにうまいですよね。『ドロシア ソウル』もあわせてどうぞ。

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