VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#551 『カスタムバトルV2』(安井洋介/カスタムロボV2/N64)

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ノイズがおくるロボットアクションRPGカスタムロボより、

安井洋介作曲、V2の『カスタムバトルV2』。ベーシックステージなどの戦闘曲。

ロボットを自由自在にカスタマイズしてホロセウムと呼ばれる3D空間で戦わせるカスタムロボシリーズの2作目として登場した本作。新しいロボやパーツが大幅に増え、シナリオは前作の1年後(実際に本作が発売されたのも前作からおよそ1年後である)を舞台に、初めからプレイできる旅立ち編と、クリア後にプレイできる激闘編の二本立てとなっている。また、対戦モードとして2on2バトルが新たに追加され、二人一組で最大四人まで白熱のバトルを楽しむことができる。2作目にしてシリーズの完成形をみたといっても過言ではない仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは前作と同じく佐宗綾子氏、細江慎治氏、渡部恭久氏に加え、新たに安井洋介氏を迎えた計四名である。細江氏率いるスーパースィープが設立されたのが発売より半年ほど前のことであり、本作はスーパースィープの黎明期を代表する作品である。初参加となる安井氏は三か月前に作曲家デビューをしたばかりの新人で、他と比べると担当曲数もすくなめだが、もともと本作はかなり総曲数が多いこともあって、要所要所で印象的なトラックを作曲している。童心をくすぐるロボットものらしいパワフルで情熱的なサウンドが揃っていて、サウンドトラックは前作のものも含めて二枚組で発売されている。

ベーシックステージやクレバスコートといったいくつかのホロセウムにおける戦闘曲として流れるのがこの曲である。曲名からして前作の『カスタムバトル』(細江氏による)の流れを汲む戦闘曲だが、蓋を開けてみるとかなり雰囲気が異なっていて、前作のそれは焦燥感を煽動する冷たいエレクトロニックサウンドであるのに対し、この曲は昂揚感を刺激する熱い仕上がりとなっている。シリアス成分が減ったかわりに安井氏お得意のクサメロが目立つようになり、くどいほど派手なのに不思議と聴き飽きない魅力にあふれた一曲である。

この古臭い感じが好きです。時を忘れて熱中できるような一曲ですね。『カスタムバトル』もあわせてどうぞ。

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