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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#564 『Fade to Black』(小山健太郎/電脳戦機バーチャロン/AC)

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セガが手がける3D対戦アクションシューティング・電脳戦機バーチャロンより、

小山健太郎作曲、初代(OMG)の『Fade to Black』。ライデンステージで流れます。

巨大なロボット・バーチャロイドを操作して3次元の仮想空間内で対戦し合うバーチャロンシリーズの記念すべき1作目としてアーケード用に登場した本作。さながらコクピットのような筐体デザインと、ツインスティックによる直感的な操作性が魅力で、機体性能の異なる8種のバーチャロイドを駆使して高速かつ多彩なアクションを繰り広げるその爽快感が、稼働開始後たちまち多大な人気を集めた。ストーリーモードは前半5つが地上ステージ、後半3つが月面ステージ、さらにラスボスステージも加えた計9面構成であり、条件次第では5面終了時に並外れた強さを誇る中ボスが登場するため、実質的には全10面構成となっている。後にセガサターンやPC、PS2Xbox360など、様々な機種に移植され、現在まで続くシリーズの礎を築き上げた。

本作の音楽を担当するのは小山健太郎氏。当時セガの第3AM研究開発部(いわゆるヒットメーカー)に所属していた作曲家で、初代からマーズまで、チャロンにその人ありとも言うべきシリーズサウンドの生みの親である。シリーズのサウンドの方向性を決定づけるにあたって、本作ではスピーディーなゲーム性にあわせてアップテンポな燃え曲を多く収録していて、ロボットアニメのような空気感をつくり出している。この作風は後の作品にも受け継がれ、シリーズの大きな魅力の一つとして数えられることになる。サウンドトラックは1996年に一度発売されたが、2007年に再びCD化され、後者では前者の未収録曲に加え未使用曲やアレンジ曲、ボイス集なども収録した完全版が登場した。

月面での3番目のステージ、ラスボス戦の手前に待ち構えるライデンとの戦闘で流れるのがこの曲である。ライデンは主役機のテムジンと並んでチャロンの代表的な機体であり、その性能は機動力が犠牲になったかわりに高火力・高耐久・一撃必殺レベルのレーザー持ちというロマンの塊のようなものである。そうした硬派な雰囲気を反映してか、この曲は荘厳なコーラスにオルガンを交えたゴシックロック的な仕上がりとなっていて、疾走感たっぷりのキャッチーなメロディーラインと相まって、高密度な重厚感を漂わせている。勇ましくもどこか退廃的な音使いが、暗転を意味する曲名とともに、クライマックスのムードをしっかり盛り上げてくれる。

テムジンステージは『Into the Blue Sky』、どっちも共通して曲名に色が含まれている(色が含まれているのは2曲のみ)あたり、対を成す感じが出ていてこだわりを感じますね。せっかくですので『Into the Blue Sky』(もちろんGET READY入りで)、あわせてどうぞ。

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