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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#570 『Dearest Hue (Hue Main Theme)』(Alkis Livathinos/Hue/PC・PS4・XOne)

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Fiddlesticksがおくるパズルプラットフォーマー・Hueより、

Alkis Livathinos作曲、『Dearest Hue (Hue Main Theme)』。タイトル画面の曲。

インディーゲームクリエイターのHenry Hoffman氏とDan Da Rocha氏が開発した本作。色の概念が存在しないモノクロの世界に生きていた主人公は、ある日姿を消した母親を探すべく、色の力を用いて冒険の旅に出る。物語が進むにつれて徐々に解禁されていく色を駆使してマップの背景色を変更すると、足場や壁を出現させたり消去したりすることができ、様々な色の組み合わせで様々なパズルやギミックを説いていくことになる。最終的には計8色まで使いこなせるようになり、全体的にカジュアルな難易度ながらも程よく考えさせられる仕組みとなっている。その完成度の高さから、いくつかのインディーゲーム関連の賞を受賞していて、後にVitaやスイッチにも移植された。

本作の音楽を担当するのはAlkis Livathinos氏。イギリスに在住するギリシャ出身の作曲家である。当初Hoffman氏はプロジェクトの初期段階でゲームのデモを作成するにあたって本作の雰囲気に合いそうな楽曲を見繕っていたところ、偶然見つけたLivathinos氏の楽曲に聞き惚れて、それに似た作風のものを用意するよう他の作曲家に依頼したそうだが、なかなか再現できず結局本人にコンタクトを取ることになったという。Livathinos氏は今までゲームの作曲に携わったことはなかったものの、非常に意欲的な姿勢で取り組み、5曲程度あれば事足りるだろうと考えていたHoffman氏の予想をはるかに上回り、本作のために30曲ほどの楽曲を書き下ろしたとのことである。そのいずれもがピアノインストゥルメンタルを主体とした上質な仕上がりとなっていて、本作を構成する大きな魅力の一つと言える。

ゲームの起動と同時に流れ出す、タイトル画面のこの曲は、本作のメインテーマに恥じぬ極上の美しさを誇る一曲である。イントロの第一音が響いた瞬間、モノクロの世界が一気に色彩を帯びていくような、一種独特な魔術的な恍惚に満ちている。どこか物憂げで心悲しげな音使いは、途切れることなく奏でられる流麗な伴奏と相まって、優しく柔らかな、メロウなアンビアンスを目一杯漂わせていて、ゲームを始めたばかりなのにすでに十分すぎるほどの余韻に浸らせてくれる。

色を音で表現したらこうなるのかな、と思わせられる一曲ですね。ちなみに背景色が変わるインディーゲームと言うと、Runbowは本作のちょうど一年ほど前に登場した、似たようなコンセプトの作品ですが、プレイフィールも音楽性も全然違っていて、それぞれの表現方法につくづく感心します。この曲の正統派アレンジということで、クレジットで流れる『With Compliments (Hue Credits)』もあわせてどうぞ。

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