VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#575 『Crimson Leaves』(David Wise/Tengami/iOS)

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Nyamyamが手がける3Dアドベンチャー・Tengamiより、

David Wise作曲、『Crimson Leaves』。紅葉エリアで流れます。

スーパードンキーコングなどで知られるレア社の元社員三名からなる少数精鋭のスタジオ・Nyamyamが開発した本作。和紙で彩られた古代日本神話の世界を舞台に、散ってしまった桜の花びらを取り戻すべく冒険に赴く。道中の仕掛けはさながら飛び出す絵本のような体裁を取っていて、一見通れない道も、タップしてめくったり畳んだり、スライドして動かしたりすることで、先に進めるようになる。和紙の質感や独特な色艶を再現した繊細で美しい和の世界観を、心ゆくまで堪能できる仕上がりとなっている。その完成度の高さから、開発期間中からすでに数々のゲームアワードを受賞し、後にAndroidやPC、WiiUなどに移植された。

本作の音楽を担当するのはDavid Wise氏。Nyamyamのメンバー同様、かつてレア社に所属していたイギリス出身の作曲家である。氏はレアに在籍していた頃から、スーパードンキーコングシリーズなどで多くみられるように、環境音をうまく取り入れたアンビエントエレクトロニカといったジャンルの作曲を得意としてきたが、本作ではさらにそこに和風のスパイスを加えた珠玉のヒーリングミュージックが揃い踏みしている。サウンドトラックは未使用曲も含めて各種のオンラインストアで配信されている。

本作は大きく分けて三つのエリアがあるが、その中間に位置するのが紅葉のエリアである。秋を思わせる唐紅の景色に、大きな音を立てて流れ落ちる滝が印象的なこの場所で聴くことになるこの曲は、琴や篠笛などの伝統的な和楽器がふんだんに用いられた閑雅な一曲である。優しく穏やかな旋律に、時折すりざさら(こすって鳴らす打楽器で、ギロのようなもの)と思しき音色が響くことで、幻想的かつ古式ゆかしい雰囲気を漂わせている。その豊満な音使いは、実りの季節たる秋の紅葉を彩るにふさわしい情緒にあふれている。

和風アンビエントの好例ですね。思わず瞑想に浸りたくなる心地良さです。