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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#576 『連合幹部1』(井上晃/初代熱血硬派くにおくん/SFC)

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テクノスジャパンがおくるアクションRPGくにおくんより、

井上晃作曲、初代の『連合幹部1』。ほくとなどのボス戦で流れます。

喧嘩の腕は常勝無敗のくにおを主人公とするくにおくんシリーズのうち、初のスーファミ作品として登場した本作。原点回帰ということで久々にデフォルメではないリアル寄りの頭身を採用していて、ベルトスクロールアクションの流れを汲みつつ、サイドビュー型のRPGに仕上がっている。本作の舞台は修学旅行で訪れた大阪であり、梅田や難波、恵美須町など、実在の大阪の街並みが細部まで丁寧に再現されている。戦闘システムもかなり特徴的で、不良からサラリーマン、さらにはそこらのオバハンまで、気付いたら饒舌な関西弁とともに喧嘩を吹っ掛けられる(要するにエンカウントする)仕組みとなっている。バグが多いなど粗はあるが、その荒唐無稽な世界観と、それとは裏腹になかなかシリアスなシナリオとが相まって、独特な奥深さを持つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは井上晃氏、浦部拓氏、故・平沢道也氏の三名。いずれも当時テクノスに所属していた作曲家である。スタッフロールでは三名とも一括してサウンドの欄にまとめられているが、作編曲に関しては井上氏が単独で手がけたらしく、浦部氏と平沢氏は主に効果音やサウンドプログラムの仕事を担ったとのことである。本作では大阪をイメージした陽気かつときどき野蛮な楽曲が揃っていて、特に甲子園(厳密には兵庫だが)では六甲おろしが流れるなど、雰囲気づくりを徹底している。サウンドトラックはドッジボールやべーすぼーるなど他のスーファミ作品と一緒に熱血高校サウンドSFC編におさめられている。また、井上氏本人がyoutubeニコニコ動画に開発当時のデモテープ音源を掲載している。

大阪連合の四天王である多聞天のほくとや増長天のわだなど、いくつかのボス戦で流れるのがこの曲である。疾走感あふれるメタリックな旋律が心地良い一曲で、最初から最後まで、大きな変化もなく繰り返されるベースラインが、絶妙に緊張感を煽る。1ループ25秒ほどというかなりの短さにも関わらず、ボス戦における昂揚感や焦燥感をきっちり押さえていて、聴けば聴くほど癖になる不思議な魅力にあふれている。ちなみに曲名に『1』とあるが、『2』のほうはラスボス含む重要なボス戦で用いられる曲で、そちらも1ループ40秒ほどの短さのなかに、しっかりと情熱的な疾走感を詰め込んだ熱血硬派な仕上がりとなっている。

1と2、どっちを紹介しようか迷ったのですが、まあせっかくなので両方とも聴いていってください。あと例の貴重なデモテープ音源もあわせてどうぞ(『連合幹部2』は残念ながら収録されていませんが、『1』は02:54~03:19あたりです)。

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