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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#591 『ディープ・キャッスル DX』(下村陽子/マリオ&ルイージRPG3 DX/3DS)

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アルファドリームがおくるブラザーアクションRPGマリオ&ルイージRPGより、

下村陽子作曲、3DXの『ディープ・キャッスル DX』。ラストダンジョンで流れます。

マリオとルイージの兄弟が助け合いながら大冒険を繰り広げるマリオ&ルイージRPGのうち、ナンバリング3作目の3DS向けフルリメイクとして登場した本作。原作の大部分を踏襲しつつ、追加要素として新たにクッパJr.の視点からクッパ軍団の混乱を描くクッパJr.RPGが収録、陣形や相性を考慮して最強の軍団を編成し、仲間とともにボコスカバトルを戦い抜くことになる。本編のほうも、クッパの巨大化バトルの演出が強化されたり、一部シーンが3Dに対応したりするなど、3DSのハード性能を活かして正統進化していて、マリオとルイージクッパクッパJr.が織り成すハチャメチャで心温まる冒険譚を再び堪能できる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは下村陽子氏。原作はもちろん、マリルRPGシリーズすべてにおいてサウンドを一任されている作曲家である。本作ではクッパJr.RPGを中心に新曲がいくつか追加されていて、本編のほうでもタイトル画面や一部ボス戦が新調された。また、既存の楽曲も3DS音源にあわせてチューンアップされていて、いずれも原曲の雰囲気を損なうことなく深みと厚みの増した出来映えとなっている。既存曲のアレンジはすべて曲名の末尾に『DX』がつくようになり、サウンドテストで原曲とアレンジの両方を試聴できる。

本作のラストダンジョンであるゲラコビッツ城は、元々はピーチ城だったものが乗っ取られてできたダンジョンである。その城内で流れるこの曲は、第一音のオルゴールからしてすでに否が応でも「これが最後だ」と直感せしめるような魔術的な魅力にあふれている。悲愴感漂うストリングスの伴奏の上を、沈み込むように奏でられる暗澹たる笛の音色と、軽やかさのなかに底知れぬ狂気を内包するハープシコードの音色(初代の『最大の敵 ゲラゲモーナ』の旋律をベースにしている)とが響き渡ることで、もう後戻りできないという感覚を強め、クライマックスに向けて腹をくくる覚悟を促してくれる。原曲と比べて、総じて音の響き方やエコーのかかり方に磨きがかかり、楽器の音色がより本物らしい質感を備えるようになり、曲全体を貫く空気がますます深みと奥行きに満ちたものへと生まれ変わっている。

原曲の時点でかなり好きでしたが、こんなに見事に深化させるとはさすがです。ちなみにクッパ体内で流れるバージョンは、エキゾチックな印象が強くて、特に隙間風のような響きを持つ笛の音がいい味出しています。体内版と原曲『ディープ・キャッスル』と、あと『最大の敵 ゲラゲモーナ』、あわせてどうぞ。

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