VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#600 『FIRST STEP TOWARDS WAR』(古代祐三/イース/PC88)

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日本ファルコムが手がけるアクションRPGイースより、

古代祐三作曲、『FIRST STEP TOWARDS WAR』。草原で流れるフィールド曲。

冒険家アドル・クリスティンの活躍を描くイースシリーズのうち、記念すべき第1作として登場した本作。相次ぐ異変に見舞われる呪われた国エステリアを舞台に、各地に散らばるイースの本を集めながら古代文明の謎を紐解いていくことになる。シンプルながらも適度に歯応えのあるアクション性と、易しすぎず難しすぎない絶妙な難易度が特徴で、当時としては革命的とも言える良好なゲームバランスが保たれている。後のシリーズおよびアクションRPGというジャンルそのものの礎を築いた作品として、種々様々なハードに移植されている。

本作の音楽を担当するのは石川三恵子氏と古代祐三氏。いずれも当時ファルコムに所属していた(石川氏は今も所属している)作曲家である。このうち古代氏が大半の楽曲の作曲をしていて、現在まで続くイースシリーズのサウンドの方向性を決定づけるほどの影響力を持っている。いわゆるズンダラ節として親しまれている独自の疾走感を持つベースライン(あえて言語化すれば、8分音符+16分音符二つで構成されるリズムのこと)による勇壮なサウンドが揃っていて、移植されるたびにハードに見合ったアレンジ音源が用意されているなど、音楽への強いこだわりが感じられる。サウンドトラックの種類は非常に多く、オリジナル音源もアレンジ音源も軒並み網羅されている。

草原のフィールドにて流れるこの曲は、まさしくズンダラ節の好例として挙げられる一曲である。主旋律の直情的な勇ましさと、伴奏のほとばしる躍動感とが相まって、制約の都合上、豪華な音源とは言い難い状況のなかでも、低音も高音も隈なくカバーして見事に重厚感を演出している。ベースが刻む軽妙なメロディーラインが、フィールド曲としては屈指のノリの良さを誇り、まさに戦いに向けての第一歩を力強く踏み出さんとする意気込みに満ちている。これこそがイースサウンドの原点と言っても過言ではない。

アレンジが多すぎてぜんぶ紹介すると大変な量になりますが、原曲以外で印象深い(音楽的に、というよりゲーム的にですが)のは、米光亮さんが編曲したPCエンジン版でしょうか。爽快感たっぷりのアップテンポな感じに仕上がっています。あわせてどうぞ。

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