VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#609 『記憶』(目黒将司/ペルソナ4 ザ・ゴールデン/PSV)

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アトラスがおくるRPG・ペルソナより、

目黒将司作曲、4Gの『記憶』。虚ろの森で流れます。

現代日本の高校生たちがもう一人の自分たるペルソナと向き合いつつ成長していくペルソナシリーズのうち、ナンバリング4作目にあたる本作(ザ・ゴールデンはその拡張版)。田舎町を舞台に、奇妙な連続殺人事件と怪しげなマヨナカテレビの噂をめぐり、少年少女たちは事件の解決に乗り出すことになる。前作を踏襲し、さらに発展させたコミュシステムや戦闘システムが特徴で、様々な事情を抱えた個性的なキャラクターたちの紡ぐ人情味あふれるシナリオが大きな魅力である。後に幻の3学期やその他大量のイベントを追加してパワーアップしたPSVita版のザ・ゴールデンが登場した。

本作の音楽を担当するのは喜多條敦志氏、小塚良太氏、目黒将司氏の三名。4Gの追加曲のアレンジで1曲のみ土屋憲一氏も参加している。いずれもアトラスに所属する作曲家たちで、シリーズおなじみの顔ぶれである。通常戦闘曲をはじめ、平田志穂子氏によるポップでスタイリッシュなボーカルを取り入れた曲が多く収録されていて、その刺激的な楽曲の数々が、本作のジュブナイル兼サスペンス的な雰囲気づくりに多大な貢献を果たしている。サウンドトラックはオリジナル音源のもの、人気曲をアレンジしたもの、それから4Gの新曲のみを収録したものがそれぞれ発売されている。

4Gの追加ダンジョンとして、一定の条件を満たした際にたった一日のみ探索可能となる(それを逃すとダンジョン自体が消失し、人々の記憶からダンジョンの創造主たる特定キャラの存在が抹消される)虚ろの森で流れるのがこの曲である。ここではアイテムの持ち込みは不可、装備は現地調達、戦闘後は自動的にSPが半減するなど、もはや縛りプレイのような鬼畜極まる仕様となっているが、この曲は、そうした艱難辛苦を乗り越えてでも歩みを進めたい気持ちを後押ししてくれる優しさと切なさにあふれている。ピアノとギターが奏でる寂寥感たっぷりのメロディーラインは、ダンジョン内の幻想的な景観と相まって、非常に繊細で脆い雰囲気を漂わせていて、相反する思いに苦悶する不安定な心情を見事に描き切っている。

曲名や曲調からして、タイトル画面の『記憶の片隅』を連想させますね。あわせてどうぞ。

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