VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#619 『エンディング』(立花ハジメ/動物番長/GC)

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サルブルネイがおくるアクション・動物番長より、

立花ハジメ作曲、『エンディング』(仮称)。エンディングで流れます。

もとはニンテンドー64向けに発売予定だったところが、すでに末期だったことを受けて次世代機のゲームキューブ初期に登場した本作。ドーブツたちの弱肉強食な世界で、自然界で失われたヤセイを取り戻すべく、食ったり食われたりの食物連鎖を繋げて百獣の王を目指していくことになる。ドーブツたちはもちろん、太陽や草に至るまで、立方体や直方体のような形で極限まで簡略化されたグラフィックが特徴で、敵のニクを喰らってヘンタイを繰り返し、ナマニクを手に入れてメスとコウビして優秀な子孫を残したりしながら次第に強くなっていく。そのストレートすぎるシビアでエログロナンセンス的な世界観が唯一無二の独自性を放っていて、非常にアクの強い仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは立花ハジメ氏。すでに解散して久しいが(ときどき短期間再結成している)、テクノポップバンド・プラスチックスにかつて在籍していたミュージシャン兼グラフィックデザイナーで、ギターやサックスの演奏を得意とする。ゲームの作曲に携わるのはおそらく本作が現時点で最初で最後であり、キレキレな作風にふさわしい野性的なサウンドが揃っている。その一方で、ピアノやバイオリンを用いた優雅な曲調のものもあり、曲数はすくないながらも充実した音楽性を楽しめる。サウンドトラックの類は現在に至るまで発売されていないため、曲名は便宜上の仮称とする。

長い戦いを経て、ついに自然界の頂点に君臨した暁に迎えるエンディングで流れるのがこの曲である。タイトル画面の曲のアレンジであり、ピアノ独奏だったそちらに、ハードなエレキギターやアグレッシブなパーカッションを加えることで、一気に激烈な曲調へと様変わりさせている。速弾きのピアノが奏でる豊かな旋律は、目まぐるしく移り変わる自然界の厳しさを象徴しているかのように感じられ、そこに暴力的な伴奏が付きまとうと、本能のままに駆け巡るドーブツたちの生き生きとした姿を彷彿させる。失われていたはずのヤセイが完全復活を遂げたことを、最後の最後で鮮烈に印象付ける一曲である。

なかなか興味深い作品です。タイトル画面の曲もあわせてどうぞ。

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