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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#620 『Journey (feat. Kronos Quartet)』(Skye Lewin・Michael Salvatori/Destiny 2/PS4・XOne)

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BungieがおくるアクションシューティングRPG・Destinyより、

Skye Lewin・Michael Salvatori作曲、2の『Journey (feat. Kronos Quartet)』。

ストーリーミッション「別れ」などで流れます。

一人称視点のシェアード・ワールド・シューター(世界共有型シューター)として登場したDestinyシリーズのうち、ナンバリング2作目にあたる本作。前作の鉄の章から1年、地球最後の都市であるシティに突如襲来してきたガウル総督率いる侵略軍・レッドリージョンにより、成す術もなく敗北してしまったガーディアンたちは、故郷の奪還と守護のために再起を図ることになる。敵を掃討するハクスラ要素の爽快感はそのままに、ギミック要素が増したレイド、6対6から4対4に変更されたクルーシブル(PvP)、一旦廃止されたがDLCで復活したランダムパークなど、試行錯誤を重ねた仕上がりとなっている。後に基本プレイ無料になり、さらなる大型コンテンツが実装された。

本作の音楽を担当するのはC Paul Johnson氏、Skye Lewin氏、Rotem Moav氏、Michael Salvatori氏、Pieter Schlosser氏といった複数の作曲家たちである。初参加のSchlosser氏を除き、いずれも前作ないしは前作の拡張コンテンツにて作曲経験がある面々である。このうちJohnson氏がオーディオディレクターを、Lewin氏がミュージックディレクターを務めている。また、演奏者としてアメリカの弦楽四重奏団・Kronos Quartetをフィーチャーしていて、滅亡の危機に瀕した終末的な世界観を重厚なストリングスでもって表現している。サウンドトラックは新たなDLCが登場するたびに追加曲を収録したものが発売されていて、Bungieの公式youtubeチャンネルでも試聴可能である。

敵襲による大打撃を受けたヨーロッパ・デッドゾーンにて、その凄惨な廃墟を目の当たりにすることになる序盤のミッション「別れ」などにおいて流れるのがこの曲である。曲名からも窺い知れる通り、本作の音楽面での目玉とも言えるKronos Quartetが演奏する7分以上にも及ぶ大曲であり、二本のバイオリンと一本ずつのヴィオラとチェロが奏でるその豊かな旋律は、退廃的でありながらも極めて心地良い安寧をもたらしてくれる。2分17秒からドラムが入り、続いてクワイアが加わると、儚くも神々しい雰囲気を醸し出し、さらに4分10秒あたりから一転して緊張感たっぷりの音色を奏でると、豪華なオーケストラを伴っていっそう力強く盛り上がる。これから始まらんとする大いなる旅路への期待と不安を見事に描き切った一曲である。

壮大な哀愁が漂っていて、弦楽器の良さがよく伝わってきますね。