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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#642 『サイコーのショー』(関河千佳・三留尚子/スーパーペーパーマリオ/Wii)

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任天堂がおくるアクションアドベンチャースーパーペーパーマリオより、

関河千佳・三留尚子作曲、『サイコーのショー』。ラストバトルで流れます。

マリオストーリーの系譜をたどるペーパーマリオシリーズのうち、Wiiに登場した本作。今度のマリオは黒のヨゲン書に従って世界を滅ぼさんとするノワール伯爵を追って、妖精アンナとともに異次元を巡る冒険することになる。次元ワザや特殊能力を持つフェアリンの力を借りながら、ときに2D、ときに3Dの空間を攻略していく。ジャンルを従来のアクションRPGからアクションアドベンチャーに一新して、横スクロールアクションに謎解きや成長要素が加わった形となっている。作風やキャラは今まで以上にギャグとシリアスが高度に混ざった独特な濃厚さを持ち、シリーズのなかではなかなかの異色作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは関河千佳氏と三留尚子氏。ともに本作の開発元であるインテリジェントシステムズ所属の作曲家である。両名ともマリオシリーズに携わっているのは本作が現時点で最初で最後のようである。遺跡や平原、和風の王国、果てには宇宙にまで旅することになる本作のごった煮の世界観にあわせて、ユーモラスなものからクールなものまでバラエティ豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックは本作単体では発売されていないが、一部楽曲がTHE YEAR OF LUIGIサウンドセレクションに収録されていたり、ゲーム中のサウンドテスト(ただしランダム再生のため任意の曲を狙って聴くのは難しい)で鑑賞できたりする。

意外な人物と融合を果たした本作のラスボスとの戦いで流れるのがこの曲である。混沌、愛、予言、洗脳といったキーワードが多く登場する本作だが、この曲はまさにそうしたミステリアスでカオティックな雰囲気がまとわりついた一曲である。妖しげに響くオルゴールの音色から始まり、トランペットやストリングスが一丸となって狂ったようなアンサンブルを奏でることで、取り返しがつかないほどラディカルでエキセントリックな勢いを増していく。融合前のボス戦で流れる『イッツァショータ~~イム!』と同じフレーズを用いているが、独特な暗さを持ちつつもショーの賑やかさを表現しているそちらと比べて、この曲は行き過ぎた狂気を強調しているように感じられる。

曲名のサイコーは、最高というだけではなく、サイコホラーやサイコスリラーなど、そっちのニュアンスも含めたダブルミーニングなんでしょうかね。『イッツァショータ~~イム!』もあわせてどうぞ。

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