VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#657 『メインBGM』(大野木宜幸/マッピー/AC)

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ナムコが手がけるアーケードアクション・マッピーより、

大野木宜幸作曲、『メインBGM』(『メインテーマ』とも)。

メインステージで流れます。

当初はゲームと無関係なマイクロマウス大会のために制作された迷路脱出ロボットをもとに、ナムコ初期のアーケード用タイトルとして登場した本作。ネズミの警官・マッピーが、泥棒猫のニャームコとその配下のミューキーズに見つからないように注意しながら屋敷から盗品を回収していくことになる。トランポリンやベルといった仕掛けを使いこなしながら、敵の追跡や床下への転落を回避し、一定時間内にすべての盗品を集めることでステージクリアとなる。スコア稼ぎのバリエーションの豊富さや、コミカルだけど奥深いゲーム性と相まって、ナムコアーケードゲームを代表する作品の一つである。

本作の音楽を担当するのは故・大野木宜幸氏。当時ナムコに所属していた作曲家で、80年代におけるナムコサウンドの生みの親と言える存在である。本作ではクレジット投入音からメインテーマ、ゲームオーバーに至るまで、今でこそ当たり前となっているが、しっかりと場面に応じた音楽が流れる点が特徴的で、当時としてはまだそう多くはなかった。楽曲はポップで軽快な作風で、本作の音楽に関する有名な逸話として、すぎやまこういち氏をして気に入ったと評しているほどである。サウンドトラックは本作単体を収録したもののほかに複数種類発売されていて、一部曲名の表記が異なる。

『メインBGM』『メインテーマ』『インゲームミュージック』などの名称で知られるこの曲は、屋敷を探索する際に流れる本作の顔とも言うべき代表的な一曲である。明るいようでどこか不安を煽るような音色が印象的で、弾けるような軽快さを醸しつつ、適度な緊張感をも駆り立ててくれる。曲が進むにつれて陽気さが増していくが、ループに入ると再び不安が押し寄せてくるそのさまは、さながら屋敷内での上を下への大騒ぎをシニカルでユーモラスに表現しているようである。

昨日に続きナムコ二連続になりましたが、遅ればせながら訃報をお聞きしたので追悼の意を込めて急遽取り上げました。ご冥福を祈ります。