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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を一日一曲を目安に紹介します。

#661 『チラホラ山』(高山博彦/PC原人2/PCE)

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ハドソンがおくる横スクロールアクション・PC原人より、

高山博彦作曲、2の『チラホラ山』(仮称)。3面の雪山で流れます。

石頭を最大の武器とする主人公が活躍するPC原人シリーズのうち、ナンバリング2作目として登場した本作。原始時代を舞台に、復活した恐竜王国の悪の大王を倒すべく、海に山に温泉に、ロケット基地や月面要塞まで探索することになる。頭突きを軸にしたアクション性はそのままに、本作では新たに壁飛びできる三角とびや蔦を利用して回転する大車輪、さらにはパワーアップアイテム次第で投げキッスを使いこなすPC美人や火を吐けるPC噴人に変身できるようになった。ボーナスステージも8種類あるなど充実していて、総じて前作よりもいっそうバラエティ豊かな冒険が楽しめる仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは高山博彦氏。前作を担当した増子司氏にかわり、単独で作曲している。前作は当時増子氏が在籍していたアトラス(ちなみに高山氏も元アトラスの作曲家である)が開発に携わっていたが、本作では参加していないようである。楽曲に関しては、原始時代の素朴で荒々しい雰囲気を反映して、コミカルなものからシリアスなものまで、独特な温かみを持つ種々様々な楽曲が揃っている。また、エンディングでは原人絵かき歌というカラオケ風のオフボーカル曲が収録されていて、取扱説明書に楽譜と歌詞が載っているなど、遊び心を感じさせる。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

3面の雪山ステージ、作中の表記だと「ちらほらやま」と「おんせんだに」で流れるのがこの曲である。いずれもこんもりと積もった白い雪が印象的な丘陵地帯だが、その物悲しげな雰囲気を、丸みを帯びた柔らかい音色が寂寥感たっぷりに彩ってくれる。穏やかで静やかな旋律は、まるで足音のように等間隔で響く低音の伴奏と相まって、それでも前へ、深い雪に足を取られまいと突き進む姿を彷彿させる。30秒にも満たない曲尺の短さをものともしない、非常に耳馴染みする一曲に仕上がっている。

ふと聴きたくなる一曲です。寒々としているけれど、しっかりと温もりも内包されているような印象です。