VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#689 『禍々しき黒い鳥となりて -何というおぞましき事でしょうか!』(谷口博史/BLACK BIRD/NS)

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Onion Gamesが手がける循環型シューティング・BLACK BIRDより、

谷口博史作曲、『禍々しき黒い鳥となりて -何というおぞましき事でしょうか!』。

第1幕第1場「OPPIDUM」の道中で流れます。上記動画の1:43から。

ラブデリックの元スタッフによるゲームスタジオ・Onion Gamesのインディー2Dシューティングとして登場した本作。哀れな死を遂げた少女が、災厄の象徴である黒い鳥に生まれ変わり、破壊の限りを尽くして王国を滅ぼすことになる。童話や歌劇を思わせるダークでメルヘンチックな世界観が特徴で、循環型のステージを巡りながら逃げ惑う人々や各地の拠点を壊していく。操作はシンプルなショットとボムのみだが、自機のレベリングやパワーアップ要素があり、全4幕構成ながら8種類のマルチエンディングが用意されている。総じてその雰囲気が独特な異彩を放つ仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは谷口博史氏。かつてラブデリックに所属していたが、現在はフリーランスの作曲家で、Onion Games作品には本作以前にもMillion Onion Hotelなどに携わっている。本作では幻聴歌劇と称される独創的なサウンドが全編にわたり収録されていて、架空言語によるオペラ調の楽曲が世界観づくりに大きく貢献している。また、音楽とゲームプレイが連動している点も特徴的で、音楽が鳴るタイミングで敵が出現する、という演出を徹底しているため、音楽に聴き入ることが攻略の鍵となる。サウンドトラックは未使用曲やボーナストラックを含めて発売されている。

第1幕第1場「OPPIDUM(市街地)」、すなわち本作の一番最初のステージで流れるのがこの曲である。曲名からしてすでに察せられる通り、非常にユニークな雰囲気を醸す壮大なオペラ曲に仕上がっている。奇抜な響きを帯びたコーラスとストリングスが主体となって曲が展開していくなかで、特にストリングスが力強い勢いで高音を奏でる瞬間にあわせて敵が出現することが多く、元々強烈なインパクトを誇る曲だが、音楽と敵の動きのシンクロ性がさらに鮮烈な印象を与える。途中ですこし毛色の異なる間奏や囁き声のようなボイスを取り入れることで、メリハリ豊かな曲調を生み出し、禍々しくも愉快な作風をよく表現した一曲となっている。

不気味なのに小気味良い感じがする不思議な作品ですね。曲のみならず、ゲーム全体にも当てはまることです。