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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#691 『Overworld Day』(Scott Lloyd Shelly/Terraria/PC)

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Re-Logicがおくるモノづくりアクションアドベンチャー・Terrariaより、

Scott Lloyd Shelly作曲、『Overworld Day』。昼間の森林で流れます。

アメリカのインディーゲームスタジオ・Re-Logicのデビュー作にして代表作にあたる本作。ランダム生成かつサンドボックス型の広大な冒険の世界を舞台に、ワールドを構成する破壊可能なブロックをつるはしで掘ったり、様々な環境に生息するモンスターと戦ったり、集めた素材で家を建てたりして自由に進めていく。探索、戦闘、建築のほかにも農作に釣りに街づくりなど、およそできないことはないほど充実した冒険生活を堪能できる。配信開始から複数回も無料の大型アップデートが施され、日本国内ではスパイクチュンソフトによりPS3PS4PSVita3DSWiiU、スイッチ、スマートフォンにも移植されている。

本作の音楽を担当するのはScott Lloyd Shelly氏。アメリカ出身でオーストラリアの永住権を持つ作曲家である。ドキュメンタリー番組や映画などの劇伴を中心に活躍していて、ゲーム音楽に関しても数は多くないながらも90年代後半から楽曲を提供している。本作ではスーパーファミコンを彷彿させる16bit風のレトロな作風にあわせて、ところどころチップチューンを取り入れた緩急豊かなオーケストラサウンドが揃っている。サウンドトラックは現在に至るまでVolume 1~3が存在し、Steam限定で一纏めにした完全版が発売されている。

地上の森林エリアなどにおいて昼の間に流れるのがこの曲である。ほとんどの場合はここがゲームの開始時点(ランダムなのでごく稀にあらぬところに飛ばされる可能性も)ということもあって、テラリアの世界での真新しい冒険の始まりを予感させるような明るく瑞々しい音使いが特徴である。いかにもレトロスタイルな電子音に続いて、モダンな管弦楽器の音色も加わることで、懐かしさと新しさがうまく融合した仕上がりとなっている。氏曰くこの曲は本作で最初に着手したものらしく、曲について"sparse, open, adventurous, somewhat 'retro' but unique and modern as well"と語る通り、主張しすぎない程度に淡泊で、けれど開放的で冒険的、懐古的でありながら現代的な斬新さを併せ持つ多様性に富んだ一曲である。

スイッチ版発売記念に。夜はまた異なる雰囲気の、ちょっとディスコっぽいエレクトロニックサウンドに仕上がっていて、そちらもなかなか。『Overworld Night』、あわせてどうぞ。

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