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#701 『戦慄の旋律!踊れパガニーニは再び』(田中潤/クリミナルガールズ2/PSV)

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日本一ソフトウェアがおくる少女おしおきRPGクリミナルガールズより、

田中潤作曲、2の『戦慄の旋律!踊れパガニーニは再び』。通常戦闘で流れます。

女の子をおしおきすることに重点を置いたクリミナルガールズシリーズの2作目として登場した本作。生前罪を犯す予定だったが早逝した半罪人を更生させるべく、地獄の指導教官である主人公は7人の少女たちを引率することになる。曲者揃いの個性的な少女たちのうち、一人は本物の罪人が紛れ込んでいるというミステリー風のシナリオが特徴で、戦闘は前作同様ターン制ながらも任意のコマンドを選ぶのではなくキャラの行動を提案する形で進行していく。戦闘中でも新システムの指導により少女たちを褒めたり叱ったりしてステータスを強化できたり、肝となるおしおきシステムはさらに滑らかでダイナミックな見た目に進化しているなど、前作から正統にパワーアップした仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは田中潤氏。音楽制作会社CUBEに所属する作曲家である。開発元(前作はイメージエポック)やキャラクターデザインの変更に伴って、作曲陣も一新されていて、複数体制だった前作に代わり、本作はシリーズ初参加の田中氏が単独で作曲している。本作では前作の音楽性を踏襲しつつ、地獄の厳めしく禍々しい雰囲気にあわせて、コーラスやオーケストラを駆使したダークでエレガントな楽曲が揃っている。サウンドトラックは初回限定版に同梱されている。

通常戦闘で流れるのがこの曲である。戦闘システムは上述の通り少女たちに行動を提案していくものであるため、思い通りに動いてくれないことが多々あるが、そうした癖のある状況にあわせて、この曲はスリリングなアンビアンスに満ちた一曲となっている。バイオリンやハープシコードが紡ぐ旋律は、妖しくも美しい軽妙な空気感を醸し出し、蝶のように舞う奔放な少女たちの戦いぶりを艶やかに表現している。なお、パガニーニとは悪魔的とさえ評された超絶技巧で知られるイタリアのバイオリニストを指し、曲名にある「再び」は前作の通常戦闘曲『戦慄の旋律!踊れパガニーニの様に!』(作曲は長岡忠治氏、谷上純三氏、吉田順一氏による)を踏まえたものである。

前作の戦闘曲も、曲名が似通っているだけあってかなり雰囲気が近いです(似せてつくったのでしょう)。あわせてどうぞ。

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