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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#711 『死のプレーン・ガラムマサラ』(増子司/マジカルバケーション/GBA)

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ブラウニーブラウンがおくるコミュニケーションRPGマジカルバケーションより、

増子司作曲、『死のプレーン・ガラムマサラ』(仮称)。

死のプレーンおよびガラムマサラで流れます。

聖剣伝説LOMのスタッフが設立したゲームスタジオ・ブラウニーブラウンのデビュー作として登場した本作。臨海学校に来ていた主人公ら魔法学校の生徒たちは、突然謎の生物エニグマにさらわれ、はぐれてしまったクラスメートたちを探すべくプレーンと呼ばれる並行世界を冒険することになる。ファンタジーの世界を彩るパステル調の緻密なグラフィック、16種類もの属性が存在する魔法を軸とした独創的な世界観、15人の個性派揃いのクラスメートたちとの愉快なやりとりに加え、やり込み要素や通信機能を用いた遊びも充実していて、非常に奥深い仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは増子司氏。フリーランスの作曲家である。GBAの音楽を手がけるのは本作が初めてで、BGMの作曲のみならず効果音やサウンドドライバの作成なども担っている。本作ではファンシーな作風にあわせてポップでメルヘンチックなサウンドが揃っているが、その一方で戦争や死といった重いテーマも扱っていることから、重厚感あふれるメランコリックな楽曲もすくなくない。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

物語終盤に訪れる死のプレーンと、クリア後の隠しダンジョンであるガラムマサラで流れるのがこの曲である。全体的にダークな色調で彩られる不穏な雰囲気にあわせて、イントロから恐怖心を煽るようなフレーズが繰り返される点が特徴である。重低音で構成される旋律は、それだけでも十分に不吉な空気感を演出しているが、さらに音の強弱をうまく調整することで、絶えず怖れを抱かせるような悪夢的な禍々しさを表現している。ガラムマサラの攻略難度の高さも相まって、極限まで焦燥感を駆り立ててくれる一曲である。

マジカルバケーションから何か、というリクエストをいただきました。ガラムマサラは、マジバケに出てくる固有名詞の大多数がそうであるように食材(香辛料)の名前ですが、未だに香辛料としてよりダンジョンとしてのイメージのほうが強いです。