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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#723 『凶なる獣』(岩田匡治/聖剣伝説DS CHILDREN of MANA/NDS)

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スクエニがおくるアクションRPG聖剣伝説より、

岩田匡治作曲、COMの『凶なる獣』。前半のボス戦で流れます。

聖剣伝説シリーズのうち、外伝かつ初のDS作品として登場した本作。マナの樹と聖なる剣の伝説が残るイルージャ島を舞台に、突如現れた凶獣と謎の男により異変が勃発、マナの樹に集った少年少女は世界を救うべく運命を切り拓いていく。四人の主人公から一人選択し、拠点となるマナの村から各地の自動生成型のダンジョンへと進むことになる。ジェムの組み合わせに応じてステータスを自分好みに強化できるほか、シリーズおなじみのリングコマンドや精霊魔法といった戦闘システムは健在で、こぢんまりとしつつも聖剣伝説らしい世界観を反映した仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは相原隆行氏、伊藤賢治氏、岩田匡治氏の三名。所属はばらばらで、当時、相原氏は自らが設立した個人オフィスのスタジオカルナバルに、岩田氏は音楽制作会社ベイシスケイプに在籍していて、伊藤氏はフリーの作曲家である。このうち元スクウェアの伊藤氏は聖剣伝説シリーズには初代からの付き合いだが、相原氏と岩田氏はともにシリーズ初参加である(ただし岩田氏は大元のファイナルファンタジーシリーズについて、タクティクスで作曲経験がある)。本作ではシンセサイザーを駆使したオーケストラサウンドを中心に、ロック、ジャズといった様々なジャンルの楽曲が揃っている。サウンドトラックはダウンロード販売されているほか、シリーズサウンドを集めた音楽大全集にも収録されている。

8つあるダンジョンのうち、前半4つのボス戦で流れるのがこの曲である。第一音から執拗に危機感を煽るようなメタリックな響きを帯びた音色が特徴で、スピード感たっぷりに攻め寄せる曲調が、瞬く間に聴く者を臨戦態勢へと引き込んでくれる。どこを取っても高密度に打ち込まれたメロディーラインは、特に40秒以降で高音から低音へ、そしてまた低音から高音へと回帰する鮮やかなフレーズにおいて、荒々しくも美しい激烈な印象を与える。凶悪な獣を相手に覚えるであろう恐怖と勇気と昂揚感をまとめて表現した一曲である。

この曲を紹介してほしいというリクエストをいただきました。前半のボス戦がこうなら、後半のボス戦『試練』(相原氏による)は同じく昂揚感に満ちつつも、ドラマチックな哀愁をも漂わせたヒロイックな曲調で、さらにマナの王との戦いで流れる『孤高の雷帝』(伊藤氏による)は、凄まじく悲壮的な威圧感を誇る一曲でして、総じて本作の戦闘曲はとても充実しています。『試練』、『孤高の雷帝』、あわせてどうぞ。

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