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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#730 『天と地の境界』(金﨑猛/ファイアーエムブレム 風花雪月/NS)

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インテリジェントシステムズコーエーテクモが手がけるシミュレーションRPG

ファイアーエムブレムより、金﨑猛作・編曲、風花雪月の『天と地の境界』。

主題歌『フレスベルグの少女』のアレンジで、グロンダーズの会戦で流れます。

FEシリーズのうち、暁の女神以来12年ぶりの据え置き新作であり、コーエーテクモとの初の共同開発作品として登場した本作。フォドラの大地を舞台に、ひょんなきっかけで士官学校の教師に抜擢された主人公は、生徒たちを指導しつつやがては大陸の戦乱に巻き込まれていく。千年の歴史を持つアドラステア帝国、騎士道を重んじるファーガス神聖王国、王を敷かず新進の有力貴族が治めるレスター諸侯同盟の三国を中心に、出身地別に区分される学級のうちのいずれか一つを受け持ち、個性豊かな生徒たちと触れ合い、学び合い、ともに戦い抜くことになる。二部構成でルート分岐する重厚なシナリオ、戦争の凄惨さを身をもって体感できる徹底的な世界観描写、学園要素とシミュレーション要素が組み合わさった良好なバランスとが相まって、手堅く手強い仕上がりとなっている。後に追加DLCとして第四の学級が登場するサイドストーリーが配信された。

本作の音楽を担当するのは金﨑猛氏、近藤嶺氏、森下弘生氏の三名。金﨑氏と森下氏はインテリジェントシステムズに、近藤氏は音楽制作会社T's MUSICに所属する作曲家である。このうち金﨑氏が本作のサウンドディレクターおよびリードコンポーザーを務めている。本作では豪華なオーケストラサウンドを中心に、日常シーンの和やかなものから戦闘シーンの激しいものまでメリハリ豊かな楽曲が勢揃いしていて、特に主題歌のフレーズを随所に組み込むことで楽曲全体に統一感を醸し出している。サウンドトラックは限定盤のFódlan Collectionにミニサントラが同梱されているほか、金﨑氏のインタビュー映像付きで主題歌を収録したシングルも発売されている。

二部(蒼月の章・翠風の章)の最大の山場であるグロンダーズの会戦で流れるのがこの曲である。舞台となるグロンダーズ平原は生徒たちにとって思い出の場所であり、その戦場は見るも無残なほどに熾烈を極めるが、この曲はそうしたシチュエーションを華やかに艶やかに彩ってくれる。ピアノの流麗な音色に、ストリングスやブラスの血気盛んなアンサンブルが重なることで、勇ましくも切なく、悲しくも美しい雰囲気を演出し、さらにそこに荘厳なコーラスが加わると、ますます過激な盛り上がりを見せる。天と地、生と死の狭間でぶつかり合うかつての級友たちの悲壮な決意を、ひたすら力強く表現した一曲である。なお、戦闘時はドラムとストリングスが強調されて物々しさと猛々しさに磨きがかかる。

血塗られた同窓会、という凄絶な状況をものの見事に体現していますね。周回を重ねれば重ねるほど悲痛さが増すような気さえします。アレンジ元は主題歌ですが、関連が深いのは同じく主題歌アレンジの『鷲獅子たちの蒼穹』でしょう。こちらも引けを取らぬ迫力、あわせてどうぞ。

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