「機動戦士ガンダム」を原作とする、バンダイがおくるシミュレーションRPG・
CROSS DIMENSION 0079より、神尾憲一作曲、
『第1部第7話(突撃!黒い三連星)後半戦』(仮称)。
第7話のマチルダのイベントシーン以降で流れます。
ガンダムシリーズのうち、スーファミ用のシミュレーションRPGとして登場した本作。アニメおよび劇場版の一年戦争を下敷きにした本編シナリオと、新型モビルスーツ・ピクシーをめぐる本作オリジナルシナリオ(死にゆく者たちへの祈り)から成る2部構成をとっている。索敵するにはある程度接近する必要があり、戦闘は通常の銃撃戦に加えてコマンド入力による肉弾戦も存在し、体力に相当するエネルギーは被弾時のみならず移動するだけでも消費されるなど、全体的にシビアなゲームバランスとなっている。本作用に一部改変しつつも概ね原作を再現した第1部と、以降のガンダムシリーズにおけるスピンオフシナリオの祖となった第2部、いずれも歯応えのある難易度にまとまっている。
本作の音楽を担当するのは神尾憲一氏。フリーランスの作曲家で、ラウンジピアニストとして映画やアニメ、ミュージカルなどの劇伴作曲を多く手がけている。ゲーム音楽に関しては、特にバンダイの作品では本作以前にSDガンダムシリーズに携わった経験がある。本作では、ガンダムのアニメおよび劇場版の劇判を作曲した故・渡辺岳夫氏(アニメの作曲家として神尾氏が一番尊敬している人物であるとのこと)のイメージを受け継ぐ形で、哀愁と疾走感の入り混じるオーソドックスなサウンドが揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。
第1部第7話「突撃!黒い三連星」において、三連星によるマチルダ強襲イベントのあとに流れるのがこの曲である。悲劇的なシーンから一転、破竹の勢いで奏でられるベースラインが特徴で、さながら特攻をかけるような勇ましさに満ちている。高速で音階を上り下りすることで烈火のごとき気迫を感じさせる一方で、その旋律は行き場のない悲しみを帯びていて、弔い合戦とも言うべき凄絶な戦いを悲愴感たっぷりに盛り上げてくれる。ドラマチックなシチュエーションにぴったりな一曲である。
クロスディメンションから何か、というリクエストをいただきました。この曲はいかにもな泣きメロという感じで、哀愁と疾走感ということばがよく似合いますね。