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#744 『ボス戦』(富樫則彦/ザ・グレイトバトルIV/SFC)

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バンプレストがおくるアクションシューティング・ザグレイトバトルより、

富樫則彦作曲、4の『ボス戦』(仮称)。ボス戦で流れます。

古今東西のロボットたちがクロスオーバーするコンパチヒーローシリーズのうち、スーファミで展開するザ・グレイトバトルシリーズのナンバリング4作目として登場した本作。悪のエネルギーによって開かれた異次元のゲートより皇帝オーバーロードが出現し各地を征服、ヒーローたちは特殊戦闘チーム・バトルフォースを結成して対抗することになる。ジャンルは従来のベルトスクロールアクションから横スクロールアクションシューティングに変更され、ステージによって横スクロール面と巨大ロボットバトルの二種類が存在する。操作キャラは4人、各々の得意分野を活かして攻略することになり、テンポの良い演出や大迫力の巨大戦闘と相まって、ミリタリーものらしい雰囲気づくりが徹底された仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは富樫則彦氏。90年代のバンダイおよびバンプレスト製の作品を数多く手がけた作曲家で、特にコンパチヒーローシリーズについてはグレイトバトルの1作目から欠かさず参加している。本作ではシリアスなミリタリーSFの作風にあわせて、重厚かつ情熱的な曲調のものが多く、荒野や浮遊都市、戦艦内部など、多彩なシチュエーションに応じたバラエティ豊かな楽曲が揃っている。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

ボス戦のうち、通常の横スクロール面で対峙する(巨大ロボ戦ではないほうの)ボス戦で流れるのがこの曲である。巨大ロボ戦で流れる『吼えろ!コンパチカイザー』(後にスパロボでアレンジされているため、正式曲名)は、いかにもヒーローソングらしい直球の勇ましさが特徴だが、この曲は同様に勇ましい一方で、危機的な緊張感をも漂わせている。疾走感あふれる曲調に、焦燥感を駆り立てる高音のストリングスによる伴奏が鳴り響くことで、最初から最後までエンジン全開の盛り上がりを見せ、ループに入る瞬間までフルスロットルの勢いを保ち続ける。ボス戦のスリリングなテンションを見事に表現した一曲である。

巨大ロボ戦のほうももちろん気に入っていますが、この曲は別格と言いたくなるほど気迫が凄まじくて、まったく失速する気配のない純然たるスピード感が、聴いていてすごく気持ち良いです。『吼えろ!コンパチカイザー』もあわせてどうぞ。

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