VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#768 『Stage 4 Field』(500ml・BeggarPrince/Shikhondo - Soul Eater/PC)

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DeerFarmがおくる弾幕シューティング・Shikhondo(食魂徒)より、

500ml・BeggarPrince作曲、『Stage 4 Field』(『Stage 4』とも)。

4面道中で流れます。

韓国のインディーゲームスタジオ・DeerFarmの代表作にあたる本作。冥界から解き放たれた魂食いの妖怪を討伐すべく、少女と死神は囚われた人々の魂を解放しつつ妖怪を封印することになる。全5面構成の縦スクロールシューティングで、東洋風の妖艶で幻惑的な世界観と、見目鮮やかな高密度の弾幕地獄が特徴である。敵弾に接近することでソウル・ゲージを溜め、満タンになると魂吸収モードが発動、敵弾を吸収したり強力な攻撃を発射したりできる。通常のアーケードモードに加え、ボス戦のみを戦い抜くボスラッシュモード、自分好みにシステムを調整できるカスタマイズモードも搭載されている。オーソドックスながらも弾幕STGのツボを押さえた仕上がりとなっている。後にPS4やスイッチにも移植され、日本を含む漢字文化圏では「食魂徒」というタイトル表記が用いられている。

本作の音楽を担当するのは500ml氏とBeggarPrince氏。両名とも効果音も手がけている。このうち500ml氏については情報がすくなく素性が判然としないが、BeggarPrince氏は韓国出身の作曲家で、本作以外にもMMORPG音ゲーなど、幅広いジャンルのゲームで作曲している。本作ではテクノやトランスといった、いかにもシューティングらしい爽快感あふれる曲調のものが揃っている一方で、ボス戦はハードコア系の破滅的な激しさを持つものが用意されている。サウンドトラックはSteamのDLCとして配信されているほか、家庭用移植の限定盤に同梱されているものもあり、一部の曲名の表記が食い違っているが、ここでは前者に倣うものとする。

4面道中は朱塗りの背景が一際印象的なラス前のステージだが、そこで流れるのがこの曲である。ピアノと電子音が融合して奏でられる静謐なイントロが終わると、30秒過ぎからアグレッシブなギターサウンドが轟き渡り、重厚な神秘を漂わせる。48秒からはあえて音を途切れ途切れに鳴らすことで、奇妙に聴き心地の良いリズム感を生み出し、テンポそのものは決して速くないながらも、絶妙にノリの良い疾走感を醸し出す。重々しくも爽やかな一曲である。

東洋の楽器を使わずとも、本作のアジアンホラーな作風にぴったりな重みと深み、それにシューティングならではの鮮やかさが表現されていますね。