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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#785 『ポケモン屋敷』(景山将太/ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・イーブイ/NS)

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ゲームフリークがおくるRPGポケットモンスターより、

増田順一作曲・景山将太編曲、ピカブイの『ポケモン屋敷』。

グレンタウンのポケモン屋敷で流れます。

ポケモンシリーズのうち、初代(ピカチュウ版)のリメイクにして本編初の据え置き機タイトルとして登場した本作。ピカチュウもしくはイーブイを相棒に、再びカントー地方を旅することになる。大筋は初代を踏襲しているが、オリジナルの新ライバルが登場するほか、フィールド上のアクションをおこなうものとしてひでんわざの代わりにヒジュツが導入されている。また、従来のランダムエンカウントからシンボルエンカウント式に変更され、捕獲システムもバトルなしのポケモンGOスタイルに寄せられているなど、ポケモンとの触れ合いを重視した作風に沿った簡素な仕組みとなっている。対戦面は大幅に簡略化され、出現するポケモンカントー地方プラスアルファと限られているが、総じてシリーズ初心者向けに配慮した親しみやすい仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは景山将太氏。以前ゲームフリークに所属していた、現在フリーの作曲家で、ポケモンシリーズには初代やFRLGにこそ携わった経験はないが、初代に関連するコンテンツとしてスペシャルアニメ版のTHE ORIGINの劇伴を担当したことがある。本作では増田順一氏が作曲した初代の原曲を、全曲単独でアレンジし直していて、原作のゲームボーイ音源から最新機種にふさわしい表情豊かなオーケストラへと昇華させている。サウンドトラックは3枚組で発売されていて、Disc3にはピカチュウ版の原曲がそのまま収録されている。

ポケモン屋敷とは火山島の町・グレンタウンに存在する謎の廃墟で、床が抜け落ちていたり資料が散乱していたり、幻のポケモンに関する断片的な記録が残されていたりする怪しげな建物だが、そこで流れるのがこの曲である。シロフォンと思しき鍵盤打楽器の旋律が特徴的で、短く音を切って奏でられる管弦楽器の音色が、奇妙に焦燥感を煽る。音そのものは柔らかめで、原曲にあるようなノイズは一切含まれないが、それでいて不可解な不穏さに満ちている。全体的に軽やかな印象を与えるはずの楽器構成ながらも、今にも背後に何かが忍び寄りそうな、ただならぬ気配を感じさせる一曲である。

ピカブイのライトな作風と、ポケモン屋敷の重めの設定とが絡み合って、遊び心と恐怖がちょうどよく融合していますね。初代の『ポケモン屋敷』、FRLGの『ポケモン屋敷』(編曲は一之瀬剛さんによる)、可愛げのあるこのアレンジとは異なり、どちらも不気味さに全振りしているような曲調ですが、ぜひ聴き比べてみてください。

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