VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#807 『Existence』(佐藤直之/ワールドサッカーウイニングイレブン10/PS2)

www.youtube.com

コナミがおくるサッカーゲームウイニングイレブンより、

佐藤直之作曲、10の『Existence』。メニュー画面で流れます。

ウイニングイレブンシリーズのうち、ナンバリング10作目として登場した本作。2006FIFAワールドカップを下敷きに、新モードとして世界各国の代表チームを率いて地区予選を勝ち抜き、世界一を目指すインターナショナルチャレンジが追加された。おなじみジョン・カビラ氏による実況は健在で、ピッチレポーターに岩本輝雄氏が参加、新たなライセンス契約先として南米のアルゼンチンや欧州のイングランドやオランダといった強豪ナショナルチームが加わった。前作のネットワーク対戦モードは廃止されたが、手軽にドリームマッチが実現できるランダム・セレクションマッチが搭載、そのほか低速ドリブルをはじめとする新テクニックが導入され、広範なバランス調整が施された。後にXbox360PSPにも移植された。

本作の音楽を担当するのは佐藤直之氏と藤森崇多氏。いずれもにコナミに所属する作曲家で、ウイイレシリーズには両名とも前作に引き続きの参戦である。シンセを駆使したハウスやエレクトロ系のジャンルを得意とする両名らしく、本作でもスポーツゲームにふさわしい爽やかでスタイリッシュな楽曲が揃っている。サウンドトラックについては、シリーズの代表曲(主にタイトル・メニュー・クレジット曲)を厳選したThe History of Winning Eleven Original Soundtracksに本作の楽曲も含まれるほか、佐藤氏(猫叉Master+名義)個人のアルバムにも一部収録されている。

メニュー画面で流れるのがこの曲である。各種モードを選択し、いざウイイレの世界へと突入、というタイミングで非常に鮮やかなハウス・ミュージックがかかることで、たちまち魂を揺さぶるような気持ち良い没入感をつくり出す。28秒あたりからソウルフルな歌声が響き渡り、同じ歌詞を繰り返す合間に「アゥッ!」という短い掛け声が挿入されると、ますますノリに乗ってグルーヴィな雰囲気を醸し出す。55秒からのフレーズでは、掛け声の代わりにストリングスが歌声に追随して小洒落た印象を与え、そのままキャッチーな勢いを保ち続ける。2分4秒以降の間奏で一旦調子を整え直し、3分手前で一瞬だけ歌声のみが響く絶妙な間を与えることで、思わず悦に入るほどの恍惚感を生み出す。シンプルだが格好良い曲名と相まって、緩急自在な爽快感に満ちた一曲である。

アルバムのほうだと曲名の綴りが『existens』となっているのですが、どういうこだわりでしょうか。