VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#810 『バトルBGM1』(別部佑介/ロックマンエグゼ N1バトル/WSC)

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インティクリエイツがおくるカードプログラミングバトル・ロックマンエグゼより、

別部佑介作曲、N1バトルの『バトルBGM1』。通常戦闘で流れます。

ロックマンの派生作品群であるデータアクションRPG・エグゼシリーズのうち、バトルチップに焦点を当てたスピンオフにあたる本作。世界最強のネットバトラーを決める大会が開催されることを受け、熱斗ロックマンのコンビは、全国のネットバトラーと競い合うことになる。アクション要素はなく、純粋にカード要素に注力した戦略重視のゲーム性が特徴で、自分好みにチップをセットしてプログラムデッキを組み、デッキに応じて自動で戦闘を実施、1対1のトーナメントを勝ち抜いていく。戦闘は自動だが、事前にセットしたチップを任意のタイミングでバトル中に使用するスロットインシステムにより、確率次第だが幾分か融通の利く仕組みとなっている。総じてエグゼシリーズのなかでも毛色の異なる意欲作に仕上がっていて、題名こそ違うが、同日に発売されたゲームボーイアドバンス用のバトルチップGPと概ね内容が共通している。

本作の音楽を担当するのは別部佑介氏。当時、音楽制作会社スタジオクリシェに所属していた作曲家である。エグゼシリーズに携わるのも、広義のロックマンシリーズに携わるのも本作(とバトルチップGP)が現時点で最初で最後である。本作では、それまで青木佳乃氏や海田明里氏らが培ってきたエグゼらしさを順当に受け継ぐような情熱的なデジタルサウンドが揃っている。サウンドトラックはエグゼシリーズ15周年を記念したサウンドBOXのなかにWSC音源・GBA音源がそれぞれ収録されている。

勝戦などの特別な試合ではない汎用的な戦闘曲として流れるのがこの曲である。戦闘は先述の通り自動で進行するため、基本的には眺めているだけだが、この曲が流れることで一緒になって戦っているような緊張感を駆り立ててくれる。イントロから破裂せんばかりのドラムが鳴り響かせて強烈なインパクトを醸しつつ、続いて奏でられるスリリングでヒロイックな泣きメロは、力強くもほんのり哀愁を誘うような絶妙なバランスの良さを生み出す。飾り気のない曲名だが、ハラハラした気分で戦況を見守りつつ、機を見てスロットインで手助けをするシチュエーションを見事に盛り上げてくれるような、動的な活力に満ちた一曲である。

GBA音源のほうは音がクリアになって表現力が増した分、素朴な荒々しさが光るWSC音源よりも全体的にまろやかになったような印象です。ぜひ聴き比べてみてください。

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