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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#825 『CLOUDBANK』(荒川憲一/サイヴァリア デルタ/NS・PS4)

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サクセスがおくるシューティング・サイヴァリアより、

荒川憲一作曲、デルタの『CLOUDBANK』。AREA 3-Bで流れます。

自機を敵弾にかすらせてパワーアップするBUZZシステムが特徴のサイヴァリアシリーズのうち、初代のミディアムユニットとそのマイナーチェンジであるリビジョンの高解像度版として登場した本作。ギリギリのラインで弾幕を掻い潜る危険行為推奨のゲーム性はそのままに、自機、ステージの種類、BGMをミディアムユニット・リビジョン双方から任意に選択することができ、バージョンを超えたクロスオーバー感覚を味わえる。判定表示や画面回転による縦画面プレイなどの各種カスタマイズ要素も充実していて、通常のゲームモードに加えて自分好みに細かく設定できる練習モードも搭載されている。総じて隅々まで丁寧に調整された仕上がりとなっている。後にPCにも移植された。

本作の音楽を担当するのはMR2151氏、ORE808(江川野誉至)氏、WASi303(佐藤哲郎)氏、荒川憲一氏、田子(関口)美佐子氏、鶴窪和志氏。WASi303氏、荒川氏、鶴窪氏はサクセスに所属している作曲家で、本作オリジナルの楽曲を手がけている。先述の通りBGMは選択式で、ミディアムユニットの楽曲群、リビジョンの楽曲群に加えて、本作用に書き下ろされた新規楽曲群を楽しむことができる。幾何学的な美しさを誇る作風にふさわしい、心地良いトランスミュージックは本作でもしっかりと受け継がれている。サウンドトラックは限定版とプレミアムサウンドボックスにそれぞれ同梱されていて、後者はDLCの追加曲やアナログ盤のスペシャル音源も含めて収録されている。

本作のステージは自機のレベル(≒プレイスキル)に応じて選択できる仕組みで、3面のなかでもより難しいAREA 3-B「CLOUDBANK」のデルタ版の新曲として流れるのがこの曲である。厚く垂れ込める暗雲の上を進むシチュエーションを、あえて一点の曇りもないような清涼感あふれるピアノで鮮やかに表現している点が印象深い。15秒あたりから一旦主旋律を弦に譲るも、30秒頃にピアノが主役に返り咲き、縦横無尽に駆け回る弦の伴奏に彩られて力強い盛り上がりを見せる。ちょうど1分でループに突入すると、再びピアノと弦と電子音の協演が爽快感たっぷりに奏でられる。短いながらもキャッチーでドラマチックな魅力に満ちた一曲である。

ミディアムユニット・リビジョン版の関口さんによる『Cloudbank』も同じピアノ系の電子音楽ですが、ピアノ自体は爽やかだけど伴奏が怪しげで焦燥感を煽るような仕上がりです。あわせてどうぞ。

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