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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#880 『UNITED NATIONS H.Q. (515 Hours)』(小山健太郎/ガンブレードNY/AC)

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セガがおくるガンシューティングガンブレードNYより、

小山健太郎作曲、『UNITED NATIONS H.Q. (515 Hours)』。

イージーモードのAREA 3で流れます。

セガの第3AM研究開発部によるアーケード用ガンシューティングとして登場した本作。ニューヨークを舞台に、テロリストに占拠された都市を奪還すべく、特殊攻撃ヘリガンブレードを駆って対抗することになる。激しい振動がじかに伝わってくる二丁の機関銃型コントローラを使い、タイムズスクエアや国連本部など、ニューヨークの街並みを再現したステージで敵を掃射していく。国連本部奪回を目指すイージーモード、マンハッタン解放を目指すハードモード(モード間で攻略するステージが異なる)、得点を競うスコアアタックモードがあり、敵の動きにあわせてカメラワークが目まぐるしく切り替わる点が特徴である。ときどき理不尽な挙動に翻弄され兼ねない大味なゲームバランスと相まって、豪快な迫力を持つ仕上がりとなっている。後に海外限定で続編のL.A.マシンガンズと抱き合わせでWiiに移植された。

本作の音楽を担当するのは小山健太郎氏。スタッフロールのサウンド欄にはNAOKI TOKIWA氏の名前も確認できるが、作曲担当は小山氏のみと思われる。いずれも当時セガのAM3研に所属していた作曲家で、特に小山氏は、本作の稼働開始の前年(なお、海外では先行して95年の年末から稼働したため、実質的にほぼ同時期)に電脳戦機バーチャロンを作曲したことで知られる。本作でもチャロンに似た系譜のキャッチーでクールなロックナンバーが揃っていて、音楽性が共通していることを受けて、実際に後年には本作の一部の楽曲がチャロンのシリーズ作品にアレンジされて輸入されている。サウンドトラックは15周年記念にL.A.マシンガンズの楽曲共々収録されている。

イージーモードのAREA 3「UNITED NATIONS H.Q.(国連本部)」で流れるのがこの曲である。エリア開始時、ゲーム内では"You have now reached UN Headquarters; neutralize all hostile(国連本部に到着、敵を殲滅せよ)"というボイスが入り、続いてパトカーのサイレンが鳴り響く演出があるが、そうした緊迫感漂う状況で、イントロの第一音からフルスロットルで熱い音色を奏でてくれる。アップテンポでヒロイック、最初から最後まで一度たりともスピードを落とすことなく駆け抜けるエレキギターが、怖いもの知らずの極上の疾走感と昂揚感を生み出す。要地での激戦を力強く盛り上げる一曲である。

上ですこし触れたように、この曲は後にバーチャロンフォースでセルフアレンジ(小山ではなく小林健太郎名義で)されています。音源がリファインされた以外に目立った変化はありませんが、原曲と比べてややベースラインのメロディーの幅が広がって強化されている感じです。あわせてどうぞ。

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