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#894 『ボス戦2』(石川敏・山田耕治/デジモンワールド2/PS)

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バンダイがおくるRPGデジモンワールドより、

石川敏・山田耕治作曲、『ボス戦2』(仮称)。複数のボス戦で流れます。

デジモンシリーズのうち、据置用のRPG作品群・ワールドのナンバリング2作目にあたる本作。デジモンたちが平和に暮らすはずのディクレトリ大陸で、近頃デジモンが凶暴化する事案が相次ぐなか、治安を守るガードチームに志願した主人公は、ガードテイマーとなって戦うことになる。デジモンを世話して育てて一緒に冒険する前作のゲーム性からは一転、ダンジョンRPGに路線変更し、デジモン独自の食事・排せつ・睡眠といった育成要素がまるきりカットされた。戦闘は最大3対3のコマンドバトル、育成の自由度こそ下がったが、登場するデジモンは200種類以上と非常に豊富な点が特徴である。スローペースなゲームテンポに鈍めな操作性などと相まって、慣れるまで時間と根気を要する仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは石川敏氏と山田耕治氏。前作から続投の山田氏は開発元のベック(現B.B.スタジオ)に所属していた作曲家で、対する石川氏(音響効果も兼任)は情報がすくなく不確定だが、本作のスタッフの多くがエフツウ株式会社の出身であり、石川氏も本作の発売前にエフツウの在籍経験があることを踏まえると、その縁で作曲に参加しているものと思われる。本作ではデジタルな世界観を反映したクールな楽曲が多く取り揃えられていて、派手なオーケストラ調のものからパワフルなロックまで、特に戦闘曲を中心に数も質も充実している。サウンドトラックは未発売のため、曲名は便宜上の仮称とする。

序盤のハグルモンや後半のカオス3将軍など、いくつかのボス戦で流れるのがこの曲である。サイレンのようなイントロはすべての戦闘曲に共通して入るジングルで、その直後から押し寄せるドラムの素早いキックが、ボス戦の昂揚感を一気に駆り立てる。全編にわたって電子音とパーカッションの反復で構成され、ときどきシンセストリングスが開放的な音色を奏でるが、あくまで伴奏に過ぎず、メロディーらしいメロディーは不在のまま、ただひたすらストイックに同じリズムを繰り返す。長丁場になりやすい戦闘を、本格的なドラムンベースで鮮やかに彩ってくれる一曲である。

一般的な呼称に倣って曲名は仮称で「2」にしましたが、別にゲーム後半にかけてのボス戦というわけではなく、同時に複数の戦闘曲が併存するような感じです。徹頭徹尾リズムで魅せるこちらとは異なり、もう一方のボス戦の曲はヒロイックなメロディー重視の曲調です。あわせてどうぞ。

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