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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#903 『トレモロハンター』(駒形めぐみ・中村京子/スーパーカセキホリダー/NDS)

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アートディンクがおくるRPGカセキホリダーより、

駒形めぐみ・中村京子作曲、スーパーの『トレモロハンター』。

ホネホネ団戦で流れます。

恐竜の化石をモチーフにしたRPGぼくらはカセキホリダーの続編として登場した本作。カセキを発掘して蘇らせて戦わせるカセキホリダーの主人公は、巨大カセキテーマパーク・カルコッツカセキパークで開催されるバトル大会に参加し、ときに悪の組織・ホネホネ団に邪魔されつつも最強を目指すことになる。フィールドでカセキ岩を発掘し、タッチペンやマイク操作で綺麗にクリーニングし、復元してバトルするという基本的な流れはそのままに、本作ではリバイバー(恐竜)が140種類以上に増えたほか、強化要素となる究極進化が追加、さらには通信プレイに対応して複数人でクリーニングやバトルを楽しめるようになった。前作から順当にパワーアップした仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは駒形めぐみ氏と中村京子氏。いずれも音楽制作会社ピュアサウンドに所属する作曲家である。前作では発売元である任天堂の作曲家(伊藤明日香氏、井上萌氏、椎葉大翼氏)が音楽を手がけていたが、本作は効果音等も含めて全面的にピュアサウンドが担っている(ちなみに次作は開発が変わり、当時スパチュンに所属していた横川克己氏が携わっているため、本シリーズは作品ごとに作曲陣が一新されている)。作曲家こそ大きく異なるものの、前作譲りのオーケストラ風のエネルギッシュなサウンドが揃っている。サウンドトラックは未発売だが、作中にサウンドテスト機能が完備されている。

大会を阻止すべく立ちはだかるホネホネ団の幹部トリオとのバトルで流れるのがこの曲である。パーカッションのみの攻撃的なビートから始まり、トランペットのような管楽器や電子音を組み合わせながらクールでスリリングな旋律を奏でていく。終始一定のリズムを刻む、ソリッドでグルーヴィーなドラミングが、悪の組織との戦いを焦燥感たっぷりに盛り上げてくれる。怪しさと格好良さとが見事に共存した一曲である。

古今東西、数ある悪役の戦闘曲のなかでもこの曲はイチ押しです。ワルモノ感がよく出ていますよね。