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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#911 『荒野風塵 ~Wilderness Of Passion~』(大嶋啓之/英雄*戦姫/PC)

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天狐がおくる美少女英雄に囲まれて世界を征服する地域制圧型SLG・英雄戦姫より、

大嶋啓之作曲、『荒野風塵 ~Wilderness Of Passion~』。

北米の戦闘曲として流れます。

アダルトゲームブランド・天狐の処女作にあたる本作。歴史上の英雄たちが同時代に集結し、全員妙齢の美少女となっている世界を舞台に、ヒミコに拾われた記憶喪失の青年・チハヤは、彼女に協力するうち列強と渡り合って戦争することになる。英雄たちを指揮し、領地を拡大し、仲間を増やしてゆくゆくは世界征服を目指す18禁のシミュレーションで、戦闘は3×6のマス目状、戦略性よりも手軽さを重視したバランスとなっている。親密度を上げることで、英雄の技を強化したり交流を深めたりでき、シンプルなゲーム性とコメディタッチの緩めの雰囲気と相まって、長い公式ジャンル名通りの体験を得られる仕上がりとなっている。後に18禁要素を抜いた移植版がPS3とVitaに登場した。

本作の音楽を担当するのは大嶋啓之氏とyan氏。フリーランスで活躍している作曲家たちで、このうちyan氏は個人の楽曲制作サイト・鳥煮亭を運営している。両名ともアダルトゲーム界隈で作曲経験があり、特に本作の原画担当である大槍葦人氏率いるLittlewitch製の作品で以前にも共同で作曲したことがある。また、続編のGOLDでいずれも続投している。本作では世界各地を舞台ということもあり、アジア、ユーラシア、北米、南米など、各地域ごとにその土地らしい雰囲気のサウンドを取り入れていて、民族音楽を中心に、オリエンタルなものからトロピカルなもの、クラシカルなものからオーケストラルなものまで、派手で勇ましい楽曲が揃っている。サウンドトラックはメインテーマアレンジや主題歌のインストも含めて収録されている。

コロンブス率いるUSAや、先住民たちによるインディアスなどの勢力が存在する北米地域における戦闘曲として流れるのがこの曲である。開始早々、没入感たっぷりに西部劇を彷彿とさせる情熱的なギターが鳴り響き、その激しい勢いが衰えることなく36秒間の前奏を走り抜ける。主旋律さながらの存在感を放ちつつ、ギターはあくまで伴奏に徹し、代わりに満を持して加わるフィドルのメインメロディーが、華々しくも哀愁薫る独特な奥深さを生み出す。開拓地としての北米らしさを目一杯に表現した一曲である。

情熱の荒野、良い副題ですね。ラテンな感じで北米だけでなく中南米っぽさもありますが、広義のカントリーミュージックのイメージでしょうかね。