ライノソフトがおくるSAFARIゲーム・AFRIKAより、
鋒山亘作曲、『Base Camp』。ベースキャンプで流れます。
写真撮影がテーマのゲームとして登場した本作。広大なAFRIKAの大地を舞台に、フォトジャーナリストの主人公は、様々な動物を調査して写真を撮ることになる。世界有数の地理学の非営利団体・ナショナルグラフィックが監修したリアル志向の動物描写が特徴で、基本的には、拠点となるベースキャンプで依頼を受け、徒歩かジープで依頼対象の動物を探し、写真に収め、依頼先から評価をもらう、という流れである。被写体との距離、角度、ポーズ(水を飲むところ、狩りをしているところなど)といった写真の条件や評価基準が細かく設けられていて、なかなか目当てのポーズを見せてくれなかったり、近付きすぎて襲われたり、そもそもどこにも動物が見当たらなかったりするなど、じれったくも本物らしいサファリ体験を堪能することができる。カメラの挙動もかなり緻密につくり込まれていて、奥深いこだわりが窺える仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは鋒山亘氏。ロサンゼルス在住の作曲家で、主に映画音楽の方面で活動している。ゲーム音楽に関しては本作で初めて担当して以来、後にバイオハザード5でオーケストレーションを手がけるなどの活躍を見せる。本作ではアフリカの雄大な自然を表現するにあたって、ハリウッド・スタジオ交響楽団による104人編成のオーケストラを用いていて、臨場感あふれる壮大で勇壮な楽曲が勢揃いしている。サウンドトラックには楽曲のメイキング映像などを収録したDVDも同梱されている。
テントで設営されたベースキャンプで流れるのがこの曲である。いわゆる本作の拠点で、キャンプ内のPCを介して依頼のやりとりをしたりライブラリを閲覧して生態系を学んだりできるほか、カメラの変更もおこなえる。そんななか、身支度を整えていざ出発、という機運を一段と盛り上げてくれるのが、この木琴と太鼓の陽気な合奏である。時折、鉄琴の可愛らしく煌びやかな高音が響くことで、軽快なリズムをよりいっそう楽しげに彩る。未知なる世界への好奇心を聴覚によって存分に駆り立ててくれるような一曲である。
こういう素朴な感じの曲は本作では割と珍しくて、だいたいはすごくダイナミックなフルオーケストラ仕立てです。メインテーマ『Afrika』などが分かりやすい例なので、参考までにあわせてどうぞ。