VGM格納庫

Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#021 『ウィンドガーデン』(横田真人/スーパーマリオギャラクシー/Wii)

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任天堂がおくる3Dアクション・スーパーマリオギャラクシーより、

横田真人作曲、『ウィンドガーデン』。ウィンドガーデンギャラクシーで流れます。

マリオシリーズのうち、地球を飛び出して宇宙を舞台とした本作。今度のマリオは星の恵みを祝う百年に一度の星くず祭のさなか、新しい銀河の誕生を目論むクッパの野望によりピーチ姫は城ごとさらわれてしまい、様々な惑星を渡り歩いてピーチ姫を救うことになる。重力をテーマにした従来にないダイナミックな球体型ステージをはじめ、壮大な宇宙観を彩る美麗なグラフィック、新ヒロインのロゼッタの登場など、革新的な要素がふんだんに含まれている。3Dアクションの新たな地平を切り開いた仕上がりとなっている。

本作の音楽を担当するのは近藤浩治氏と横田真人氏。ともに任天堂に所属する作曲家たちである。このうちマリオシリーズマリオシリーズサウンドを最初期から手がける近藤氏は4曲のみの参加となり、実に50曲以上の新規曲を横田氏が担当している。本作では、宇宙らしさを極限まで追求したマリオシリーズ初のフルオーケストラサウンドが採用されている。オーケストラ以外にもアンビエントやテクノ調の一風変わった楽曲も揃っていて、個性豊かなステージ群を鮮やかに彩ってくれる。サウンドトラックはクラブニンテンドー会員の特典として配布されていた。

ウィンドガーデンギャラクシーで流れるのがこの曲である。物語中盤に訪れる風の惑星で、風に乗ることのできるフワフワ草に掴まって足場から足場へと攻略していく。風というコンセプトを反映してか、吹奏楽器(ウィンドインストゥルメント)をふんだんに用いた爽快な曲調が印象的で、ギターやハープの柔らかい音色を下敷きに非常に晴れやかな旋律を奏でる。その清涼感あふれる音色は、マリオシリーズにおいてオーケストラを新たに採用したことの意義を強調するかのごとく、どこまでも心地良く、どこまでも美しく響き渡る。1分頃で一旦抑えて勢いを蓄えると、1分25秒からのサビで一気に開放し、ポジティブなエネルギーに満ちあふれた心躍る響きを生む。冒険心をたっぷりくすぐってくれる一曲である。

すごくすんなりと耳に馴染む、いつまでも聴いていられる曲ですね。マリオとオーケストラの相性がとても良いことを印象付けてくれます。