古代祐三作曲、Vの『戦場 明日を掴むは死闘の先』。
物語後半、第四階層以降の通常戦闘で流れます。
冒険者となって未踏の迷宮のマップを自作する世界樹の迷宮シリーズのナンバリング5作目にあたる本作。剣と魔法の大地・アルカディアを舞台に、冒険者たちは様々な言い伝えが残る世界樹を目指して迷宮に挑むことになる。これまでの世界観を刷新し、魔法の概念や姿かたちと性能が異なる4つの種族を取り入れることで、より王道ファンタジーらしい作風へと変わった。とりわけキャラメイクシステムの自由度が向上し、髪・目・肌の色をプリセットのものとは別に自由に指定できるようになった。すべてのモンスターグラフィックの新規差し替え、職業の一新、食材採集や調理といった冒険を彩るサブ要素など、数多くの新要素や相違点が盛り込まれている。基本的なゲーム性は踏襲しつつも路線変更した意欲作に仕上がっている。
本作の音楽を担当するのは古代祐三氏。おなじみシリーズサウンドの生みの親である作曲家である。また、一部の編曲に柳川剛氏も携わっている。本作では前作同様、FM音源ではなく生演奏音源が採用されているが、DLCとしてFM音源版を楽しむことができる。世界観が一新されたことで大きく雰囲気が変わったものの、楽曲は過去シリーズに劣らぬクオリティを保っている。サウンドトラックはオリジナルの生演奏版とFM音源版の両方が収録されている。
世界樹の迷宮シリーズにおける戦闘曲は、先制時・通常時・奇襲時によってイントロ部分が変化する仕掛けが施されている。そのなかでも本作の第四階層以降、後半の通常戦闘曲として流れるのがこの曲である。上記動画では開始直後の10秒間ほど、先制時のイントロが追加されていて、焦らしつつも勢いあふれる旋律が昂揚感を高めさせてくれる。物語前半の戦闘曲（『戦場 始動』）とは異なり、早い時点からエレキギターを主旋律に据えることにより、物語後半にふさわしいハードでストイックな雰囲気を醸す。バックで響くストリングスがうまく曲のテンションを支えているのに加え、38秒頃からギターに代わって一時的にサックスがリードを取ることで、スタイリッシュな疾走感をも漂わせる。即興風のギター間奏が終わる1分44秒あたりでは、サックスとギターが一体になって最高潮のサビを奏でる。死闘の先に活路を見出さんとする冒険者たちの力強い決意を感じさせる一曲である。
君は以下のFM音源のものと聞き比べてもいいし、しなくてもいい……ただし、こちらは先制時イントロは含まれていません。
