上海アリス幻樂団がおくる弾幕シューティング・東方Projectより、
ZUN作曲、神霊廟の『死霊の夜桜』。1面道中で流れます。
96年に大学祭で発表された東方靈異伝を皮切りに、同人弾幕シューティングの代名詞として知られる東方Projectシリーズのうち、第13弾として登場した本作。幻想郷という山奥の僻地を舞台に、妖怪や人間が入り混じる稀有な世界観、そこで起きる愉快な異変、一風変わった摩訶不思議なキャラクターたちが紡ぐ物語が特徴である。霊夢、魔理沙、早苗に加え、久々に妖夢も自機として復活参戦し、いつも通りの流れを汲みつつ順当に進化した仕上がりとなっている。
本作の音楽を担当するのは神主ことZUN氏である。氏は上海アリス幻樂団の主宰で、作品の原作者として、膨大な情報量にのぼるシナリオ、世界観、設定のすべてを楽曲に反映している。本作では霊界トランスと呼ばれる独自システムがあり、トランス中にはBGMの曲調が変わるという小粋な演出が見受けられる。曲名は氏本人のコメントとともに恒例のゲーム内音楽室で明かされている。
1面道中で流れるのがこの曲である。雅なピアノイントロから始まり、そこに静かに息を潜めたパーカッションが加わると、サビで解放的な、それでいて開けっ広げの快活さとは一味違う凝縮されたトランペットの音色がピアノのうえを滑らかに走り抜ける。薄暗い冥界、そこに咲き乱れる風光明媚な桜並木というイメージを、全体的に淑やかで控えめな曲調をもって表現している。落ち着いた曲調ながらも確かな昂揚感を漂わせた一曲である。
1面からこれですから、とても引き込まれるような感じがします。
