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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#085 『ダーククラウド・メインテーマ』(西浦智仁/ダーククラウド/PS2)

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レベルファイブのがおくるアクションRPGダーククラウドより、

西浦智仁作曲、『ダーククラウド・メインテーマ』。タイトル画面で流れます。

レベルファイブのデビュー作として登場した本作。魔神に滅ぼされてしまった世界を再生すべく、精霊に特殊な力を授けられた少年・トアンは、世界各地の村や街を復興させていく。自動生成されるシャッフル3Dダンジョンを攻略し、世界を生成するために必要なジオラマパーツを収集した暁には、自分好みにパーツを組み合わせて自由に街づくりすることができる。アクションRPGとシミュレーションの要素が融合したゲーム性は、PS2ならではのダイナミックな映像表現と相まって、独創性が光る意欲作に仕上がっている。

本作の音楽を担当するのは西浦智仁氏。会社創立時からのメンバーである、レベルファイブ所属の作曲家である。また、本作は作曲家としての処女作でもある。本作では、アコーディオンフィドルを用いた異国情緒漂うサウンドが多く揃っていて、こうした作風は後のレイトンシリーズにも受け継がれている。サウンドトラックはボーナストラックとしてメインテーマのボサノバアレンジも含めて収録されている。

タイトル画面で流れるのがこの曲である。禍々しい城の映像とともに流れ出す場面を彩るにあたって、手始めにシロフォンが小刻みに旋律を奏でることで、独特な焦らしの感覚を生む。8秒頃からパーカッションと合流し、それぞれすこし間を置いてギターとフィドルが参戦すると、情緒豊かにしなやかな音色を紡いでいく。ところどころにカスタネットの軽やかな打音や、小気味良い笛の音が入ることで、全体的に哀愁漂う曲調ながらも、しっかりと前を向いて進もうとする決意を滲ませる。メインテーマらしく切なくもしたたかな一曲である。

続編のダーククロニクルではラスボス戦で流れているのが印象的です。ボサノバアレンジでは、イントロはピアノ、主旋律はフィドルのかわりにクラシックギターが務めますが、こちらも何とも言えない心地良い哀愁が漂っていて素敵です。あわせてどうぞ。

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