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Video-Game Music Registry:好きなゲーム音楽を隔日更新で紹介します。

#110 『決戦! 四天王』(景山将太/黒騎士と白の魔王/iOS・And)

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ラニがおくるオンラインRPG・黒騎士と白の魔王より、

景山将太作曲、『決戦! 四天王』。クエストの四天王戦で流れます。

神獄のヴァルハラゲートで知られるグラニ製の2作目にして、後に配信権が変更されてマイネットゲームスが運営することになった本作。聖光石という特殊な資源の恩恵で繁栄を続けてきた世界を舞台に、双方譲れない正義を掲げる黒騎士・グラムスと白の魔王・ゼロスの戦いに終止符を打つべく、主人公は仲間とともに世界を旅することになる。ダークファンタジー調の重厚な世界観が特徴で、メインストーリーはもちろん、ギルドやコロシアムなどのプレイヤー間の対人戦や協力要素も充実している。戦闘システムはオーソドックスなコマンドバトルだが、スキル発動までに時差があり、そのウェイト中に誰がどの行動をとるかによって戦略の幅が広がる仕組みとなっている。後にスマホ版とデータ連動するPC版も配信された(現在はサービス終了済み)。

本作の音楽を担当するのは景山将太氏と下村陽子氏。いずれもフリーランスの作曲家で、このうち下村氏の作曲はごく一部で、景山氏が主に作曲をおこなっている。本作では生演奏にこだわっていて、良質な音色を求めてはるばるプラハの歴史的な音楽施設・ドヴォルザークホールにて楽曲をレコーディングしたという。基本的には洋風のオーケストラサウンドが中心だが、ロックや民族音楽、和風なものまで、順次アップデートを経てジャンルのバラエティが充実するようになった。サウンドトラックについては、イベント特典のミニサントラ、4枚組のフルサントラ、さらに追加曲を収録したサントラ第2弾が発売されている。

ストーリーモードにおいて、四天王とのバトルで流れるのがこの曲である。白の魔王の配下である曲者揃いの四人衆との激闘を、エレキギターによるイントロで開始早々に力強く彩ってくれる。ロック調のアップテンポでパワフルな旋律に、ストリングスやブラスといったオーケストラ楽器が加わり、疾走感とともに重厚感をも生み出す。秒刻みで戦術の構築を要求される本作において、終始ハイペースで奏でられる曲調は、予断を許さない状況を見事に体現している。最初から最後まですべてがサビと言わんばかりの盛り上がりを保ち続ける一曲である。

敵の残りHPがすくなくなると曲が切り替わるのですが、四天王戦も例外ではありません。爽やかな良曲なので、『掴め、大いなる勝利』もあわせてどうぞ。

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